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フラウンホーファーIPMS、液晶光スイッチを開発

April 4, 2013, Dresden--フラウンホーファー研究所フォトニックマイクロシステムズIPMSは、特殊液晶の電気光学導波路をベースにした光スイッチと変調器を開発した。
この材料は電界に特別な感度を持ち、サブミクロン(μs)スケールの短い応答時間を示しており、可視光から赤外までの幅広いスペクトラル範囲で優れた透過性を特徴としている。この技術の可能性は、光通信ネットワークにとどまらない。フラウンホーファーIPMSは、この画期的な技術をOFC/NFOEC2013で紹介した。
光ファイバ網を利用して大量のデータを伝送する可能性は限界がないように見える。しかし、この可能性はネットワーク帯域が十分に利用されたときにのみ生きてくる。これは、例えば多様な光信号を結合、分離、増幅、減衰することによって現実のものとなる。こうした環境で使用される光スイッチ、多重器は高速で高信頼であり、スイッチング周期が短く、多チャネル、低挿入損失とクロストークでなければならない、さらに他のコンポーネントと集積ができる柔軟性が必要だ。
こうした問題に対処するために、IPMSの研究チームは、液晶導波路で誘起する電気光学(EOIW)をベスにした有望な光スイッチコンセプトを開発した。この技術の開発担当マネージャ、Dr. Florenta Costacheは、基本的なアイデアについて、「外部の電界を局所的に作用させることで限定的な部分で特別な液晶層に大きな異方性が生ずる。これにより、光はこの特別な領域で正確に導波することができる」と説明している。わずか0.5dB/㎝の光損失がこの導波技術で達成された。デバイスの高速スイッチングは、1μs以下、電界に対するEO Kerr応答利用からMHz変調周波数が得られる。このコンポーネントは1550nm通信波長向けに開発されたが、必要なら400~1600nmの任意の波長向けに設計可能だ。
コンポーネントは平面シリコン技術を用いて作製しており、これにより経済的に量産ができる。スイッチの特徴は、スイッチングプロセスの安定性と信頼性、他のコンポーネントとの集積容易性で大きな利点が出るように設計されている点。このためフラウンホーファーIPMS EOIW技術は、光通信ネットワーク用途に限定されない。「われわれが開発したスイッチングと変調技術は、どんな複雑なシステムにも導入できる。例えば、データ転送や処理、光ファイバセンサシステム、レーザ技術やセキュリティなどのアプリケーションにも利用できる」と同氏は説明している。例として、橋梁、風力発電タービン、パイプライン、列車、個別の光ファイバセンサを組み合わせて広範なセンサネットワークを構築することもできる。このようなネットワークで、温度、圧力、湿度、速度、振動、材料歪などが、最も苛酷な環境であっても迅速かつ正確に検出できる。この電気光学スイッチがここでできることは、計測機器の周期的な解析に個々のチャネルを選択して振り分けることだ。
OFC/NFOECでは、双方向光結合の1×2スイッチに可視光を通してスイッチングプロセスを見せた。

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