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ライス大学、ナノチューブフォトディテクタを開発

March 4, 2013, Houston--ライス大学(Rice University)とサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の研究チームは、可視光を超える波長に対応するナノチューブベースのフォトディテクタを開発した。太陽電池や特殊カメラなどのオプトエレクトロニクスデバイスに使用できる可能性がある。
従来のカメラは見えるものを化学的に記録する光検出器。最近のデジタルカメラは、フィルムを半導体ベースのデバイスに置き換えた。
しかし、ライスのディテクタは長尺のカーボンナノチューブをベースにしている。300μmのナノチューブは、1/100インチ程度ではあるが、チューブはその幅に対して数千倍の長さになっている。
このためブロードバンドディテクタは、簡単にテスト用の電極に接続することができ、ライスの物理学者Junichiro Konoの考えるマクロデバイスで起動できる。ナノチューブは、ライスの化学者、Robert Haugeの実験室で極薄「カーペット」として成長し、水平に圧迫して薄い数十万のよく揃ったチューブを作製する。
Kono氏によると、チューブは全て同じ長さであるが、幅が異なっており、導体と半導体の混在となっている。チューブのそれぞれが異なる光波長に感度を持つ。「初期のデバイスは、感度のある波長が限られたシングルナノチューブであるか、あるいはナノチューブのランダムネットワークであったが、その理由を理解するのは非常に困難だった」とKono氏は言う。
論文の筆頭著者、Kono研究グループの前ポスドク研究者Sébastien Nanot氏は、「このデバイスは2つの技術を統合したものだ」と言う。「シングルナノチューブ実験の時と同様に、各ナノチューブは両方の電極に接続されているという点でシンプルになっているが、ナノチューブの数は多く、これによってマクロデバイスの品質が得られる」。
タイプの違うナノチューブを多数並べたアレイは、IRからUVまで、その間にある可視光波長も含む光を検出できる。スペクトラム全体にわたって光を吸収できるということは、太陽エネルギーにとってはこのディテクタが大きな利点になる。また、IR機能は軍事用のイメージングアプリケーションに適している。「可視光域では、すでに優れたディテクタが多く存在するが、IR領域では低温ディテクタしかなく、これらは軍事目的には便利ではない。われわれの開発したディテクタは室温で動作し、特殊真空で動作させる必要はない」(Kono氏)。
このディテクタは、偏光にも感度があり、ナノチューブに平行な光を吸収するがデバイスを90°回転させると感度がなくなる。
(詳細は、www.rice.edu)

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