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KIT研究チームが重金属を使わずにマルチカラーLEDを開発

February 26, 2013, Karlsruhe--カールスルーエ工科大学(KIT)とカナダのトロント大学の研究チームは、重金属を使わないでナノスケールシリコンベースLED(SiLED)を開発した。セレン化カドミウム、硫化カドミウム、硫化鉛などの有毒で高価な重金属は使わない。
シリコンナノクリスタルは、数nmサイズで、発光可能性が高い。両大学の研究チームは、SiLEDの製造に成功した。重金属フリーで、様々な色で発光する。
シリコンは、マイクロエレクトロニクスや太陽電池業界で優位を占めているが、長い間LEDには適さないと考えられていた。しかし、ナノメートル領域ではこれは正しくない。微小なシリコンナノクリスタルは光を出すことができる。このナノクリスタルは、数100から数1000の原子で構成されており、高効率の発光体としての可能性が高い。これはKITのUli Lemmer教授、Annie K. Powell教授、トロント大学のGeoffrey A. Ozin教授によって実証された。研究チームは、共同プロジェクトで、シリコンナノクリスタルから高効率の発光ダイオードを作製することに成功した。
これまでは、シリコンLEDの製造は赤色可視光と近赤外に限られていた。SiLED赤色の効率についてはKITの研究者が世界のトップに立っている。KITの光技術研究所(LTI)の研究者、Florian Maier-Flaig氏によると、LEDの発光色はナノ粒子をサイズにしたがって分離することで調整できた。「われわれのLEDは、以前にはなかったような長期安定性を達成した」と同氏はコメントしている。稼働中のコンポーネントの耐用年数は、1つのサイズに限ってナノ粒子を使うことで延びる。これにより、感度の高い薄膜コンポーネントの安定性が増す。大きすぎる粒子による短絡は排除される。
「液体処理SiLEDは大面積、低コストで製造できる可能性があるので、ナノ粒子業界は新しい世界に踏み込むことになる」とKITリサーチフェロー、Geoffrey A. Ozin氏は話している。
(詳細は、Nano Letters誌 DOI: 10.1021/nl3038689)

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