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住友電工とSoitec社、Smart Cut技術ライセンス契約を締結

February 25, 2013, Osaka--住友電気工業株式会社(住友電工)と、フランスのS.O.I. TEC Silicon On Insulator Technologies S.A.(Soitec)は、Soitec社の所有するSmart Cut技術に関するライセンス契約を締結した。
住友電工とSoitecは、2010年12月以来、薄膜GaN基板の開発に関して協業してきたが、今回の契約により住友電工は、Soitec独自のSmart Cut技術の移管を受け、同技術を活用して製造した薄膜GaN基板を、高輝度発光ダイオード(LED)照明用途に販売していく。
既に両社はこれまでの共同開発の中で、パイロット量産ラインにおいて4インチと6インチの薄膜GaN基板の製造能力を確認することに成功。薄膜GaN基板は1枚の自立GaN基板から複数枚切り出される高品質超薄膜GaN層を、付加的な機能も有する低コスト支持基板に貼り合せて製造される。この支持基板もまた自立GaN基板同様に、住友電工が特別に同用途向けに開発した。住友電工はSmart Cut技術の移管により、自ら製造ラインを新たに揃え、薄膜GaN基板の量産を進めていく。
住友電工の半導体事業部長の三浦祥紀氏は、「我々の大口径高品質GaN材料と独自開発したユニークな支持基板、SoitecのSmart Cut技術というそれぞれオンリーワンの技術同士を組み合わせることで、当社は魅力ある製品をLED顧客に提案できることになる。今回ライセンスを受けたSoitecの技術により、当社は高品質の自立GaN基板から複数枚の高品質薄膜GaN基板を生み出すことが可能となり、実効的に低コストの製品を規模の大きな量産用途に供給することが可能となる」とコメントしている。
Soitec副社長Frédéric Dupont氏は、「今回の契約は、化合物半導体市場のロードマップにおける非常に重要なマイルストーンであり、また当社の戦略の重要な最初のステップでもある。ライセンス契約は、Smart Cut技術によって高価格の基板材料から複数枚の薄膜基板を生み出すことで、経済性を高めることが可能となる、という当社技術の新たな活用法を示した最初の契約となる。住友電工が、その革新的な材料開発技術を証明するだけでなく、新たに同技術を用いて内製していくことを決断したのは、高輝度LED用途に最もコスト効率の高い基板材料を開発していくにあたって、重要な資産となる」と語っている。
Smart Cut技術は、世界で最も進んだマイクロエレクトロニクスの研究機関の1つであるフランスのCEA-LETI(仏国中央原子力庁電子情報技術研究所)にて開発された。この技術は、軽元素のイオン注入技術とウェハ貼り合せ技術を用いることで、一方の半導体基板から単結晶の超薄膜を原子レベルでメスのように切り出し、もう一方の半導体基板へそのまま移して貼り付けることができる。また活性層の材料とその支持基板の材料の組み合わせを自由に選択することもできる。このため同技術により、標準品のみならずカスタム品も作られ、基板の一つの分野を形成するに至っている。SoitecはSmart Cut技術を用いた基板の商業的量産に成功しており、そのビジネスは世界中の2000件以上の特許によって保護されている。Soitecは現在、Smart Cut技術を活用して製造したSOI基板を世界的トップのチップメーカーに供給し、また同技術について排他的独占使用権と、第三者の材料・プロセスメーカーへのサブライセンス許諾権を所有している。

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