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NIST、DNAテンプレートで量子ドットをコントロール

February 12, 2013, Gaithersburg--米国標準技術局(NIST)はの研究チームは、ゴールドナノ粒子を量子ドットに近づけ、DNAテンプレートを用いて距離をコントロールすることで量子ドットの蛍光強度の増減が予測できることを示した。この画期的な成果は、パフォーマンスを改善したフォトディテクタ、化学センサ、ナノスケールレーザのコンポーネントに量子ドットを使う道が拓ける可能性を示している。
ナノテクノロジーの研究者たちは、量子ドットからの発光を制御しようとしてきたが、量子ドットは他の粒子との距離によって蛍光強度が変わる。
NISTの研究チームは、異なる種のナノ粒子を正確に接近させて置く方法を開発した。この結果として得られるナノスケールの構成の振る舞いを計測することができる、と研究チームは説明している。ナノ粒子ベースの構成が、一体となって機能するには複数のタイプの粒子を必要とすると考えられるので、それらを組み合わせ、それらがどのように相互作用するかを理解することが重要になる。
NISTの研究チームは、2つのタイプのナノ粒子に注目した。1つは量子ドットで、これは光を当てると蛍光を発する。もう1つはゴールドナノ粒子で、これはその周囲の光強度を強めるものとして以前から知られている。この2つの粒子をいっしょにしてナノスケールのセンサを作製することができる。これには、「DNAオリガミ」という技術を用いて作った矩形DNA鎖を利用する。
DNA矩形は、異なるタイプのナノ粒子を約1nmの精度で特定の位置に置いて作る。矩形上で、量子ドットとゴールドナノ粒子とのわずかな相対距離の違い、つまりゴールド粒子に近いか離れているかによって、量子ドットの発光が増減する。この小さな動きは、量子ドットの輝度の変化のトラッキングによって容易に検出できるので、例えば、DNA矩形に選択的に付けた特定の化学粒子の存在を検出することができる。とは言え、NISTのAlex Liddle氏は、これを正しく動作させることは単純ではないと言う。
「量子ドットは、ゴールド粒子との距離、またゴールド粒子のサイズや数に対する感度が極めて高い。これらの要因で蛍光が強くなったり、遮蔽されたり、発光時間が長くなったりする。これまで実現できなかった、この効果を計測する方法を手に入れたかった」とNISTナノ科学&技術センタの研究者、Little氏はコメントしている。
研究チームは、DNA矩形のグループを複数作製した。それぞれ、溶液の中で量子ドットとゴールド粒子との構成が異なっている。スポットライトにレーザを使って溶液中の個々のDNA矩形の動きを追うことができ、量子ドットが異なるサイズのゴールド粒子に近づいたときの蛍光寿命を検出することもできた。また、近隣のゴールド粒子のサイズにしたがって量子ドットの蛍光寿命を正確に予測できることも示した。
このトラッキング技術は時間がかかるが、この強力な結果によって「所望の寿命を持つ量子ドットを設計することもできる」とLiddle氏は言う。さらに、このトラッキング法の成功はよりよい計測法に繋がるものである。
「研究チームの目標は、このアプローチを用いてより優れたナノスケールのセンサを作り、そのパフォーマンス計測に必要な計測法を開発することである」とLiddle氏は言う。

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