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JQI、フォトン読み出し効率を改善したディテクタを開発

February 6, 2013, Gollege Park--共同量子研究所(JQI:Joint Quantum Institute)が開発したフォトディテクタは、不確かさを最小限に抑えて量子情報を読み出す新たな基準を確立した。読み出し限界は従来の4倍となる。
この成功は、光パルスの読み取りが単一のパッシブディテクタではなく、フィードバック機構を持つ適応型ディテクタネットワークによって可能になった。JQIの新しい、より確実なフォトニックプロトコルの研究は、Francisco Becerra氏の研究チームによるもので、Nature Photonicsに報告されている。
最もシンプルな形式のデジタルデータは、いわゆるOOK(on-off keying)で読み取れる。ディテクタが、電子もしくはファイバを通して来る光バースト信号の強度を検出し、0もしくは1を割り当てる。信号変調のより高度なアプローチでは、データをパルスの位相にエンコードする。PSK(phase-shift keying)では、情報は搬送波の位相シフト量にエンコードされる。
読み取りプロセスは完璧ではないため、どんな種類のロジックであってもエラーは生ずる。光パルスの状態は、本質的に不確かであり、パルスが重なった状態にあると、それが現実的な問題になる。
JQIの研究者は、1個のパッシブディテクタを使わず、一連のステージを採用したアクティブディテクションによって、量子限界が回避できる、としている。各ステージで、光信号が部分的に銀を被せたミラーに当たり、そこでパルスの一部が解析され、残りは次のステージに進む。各ステージで信号は、信号位相を決める位相レファランスとして用いられるレファランス発振波と結合される。これは、レファランス波を所定量シフトし、それをビームスプリッタで信号波と干渉させることで行われる。この規定量のシフトによって、干渉パタンは、入力パルスの位相を少しずつ検出していく。
そのようなステージを結合し、先行するステージで得られた情報を用いて連続するステージでレファランス波の位相を調整し、得られる信号位相の推定が改善される。
このように適応的に位相検出し、フィードバック的に実装することでJQIシステムは、情報を位相としてエンコードする4つの状態(シンボル)に対して、量子限界を克服することができる。これらの状態は、円の周囲に異なる角度で曖昧な区分として示されている。ここでは、角度が光パルスの位相を示している。
このシステムで計測された誤り率は量子限界よりも遙かに低い。JQIのレシーバは、「入力信号の位相検出で、標準量子限界(SQL)と比較して約4倍優れている」とJQIは説明している(この計測で使用された10ステージのアダプティブ計測)。
(詳細は、www.jqi.umd.edu)

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