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NTT、生物の「ゆらぎアルゴリズム」を仮想ネットワーク制御技術に世界で初めて適用

January 28, 2013, 東京--日本電信電話(NTT)は、大阪大学、電気通信大学と共同で、生物学の知見に着想を得た「ゆらぎアルゴリズム」を仮想ネットワーク制御へ適用することに世界で初めて成功した。
同技術の適用により、事前に予期できない災害・重大な事故が発生した場合において、迅速にネットワークを復旧することが可能となる。
NTT・大阪大学・電気通信大学は共同で、生物学の知見に着想を得た「ゆらぎアルゴリズム」を仮想ネットワーク制御へ適用する事に世界で初めて成功した。大阪大学は従来から「生体ゆらぎ」の情報システムへの応用において世界的に有名な研究機関であり、NTTは「ネットワーク制御技術」、電気通信大学は「通信プロトコル」に各々強みがある。今回の成果は3研究機関が高いレベルの独自技術を融合することではじめて実現することができた。
この制御技術を用いることで、仮想ネットワークが環境変化を察知し自律的かつ適切に経路を選択することが可能となる。そのため、トラフィック量の急激な増減や大規模災害が発生した場合においても、状況に応じた最適化・ネットワーク復旧を実現できる事を実証した。
技術の要点としては以下の3点が挙げられる。

(1)管理型自己組織化制御技術(大阪大学・NTT)
「ゆらぎアルゴリズム」を用いた仮想ネットワークの制御技術。環境変化に適応した最適トポロジーを各仮想ネットワークで独立に計算するため、既存の最適化技術より計算時間が短く、環境変化への迅速な対応が可能となる。これにより、ネットワーク復旧を実現することが可能となる。大阪大学が生体ゆらぎの知見に基づき、主導的に理論面の検討・評価や基本アルゴリズムの開発などを行い、NTTが実ネットワークへの適用に向けた制御アルゴリズムの改善、制御サーバ開発、技術実証などを行った。
(2)仮想ネットワーク調停技術(NTT・大阪大学)
仮想ネットワーク上でICT機器のリソース競合が発生した場合、迅速に調停して性能回復を実現するリソース制御技術。大阪大学が仮想ネットワーク同士で状態をフィードバックし制御を安定化する仕組みを開発し、NTTが特定の仮想ネットワークを隔離するリソースアクセス制御の仕組みを開発。そのためネットワーク全体で負荷を分散することが可能となる。
(3)経路制御情報広告方式(電気通信大学)
仮想ネットワーク上でネットワークトポロジー最適化に必要なトラフィック情報を効率的に収集する通信プロトコル。電気通信大学が開発した方式で、ネットワーク全体ではなく、隣同士の機器とトラフィックの情報を交換しながら、輻輳が発生している機器の情報のみを選択的に情報収集することで抜本的に情報収集の負荷を削減する。

なお、情報通信研究機構(NICT)が2月5日~7日の期間に開催するJGN-X広域実験イベントで、この制御技術を利用した輻輳解消実験を行う予定。実験では、沖縄から北海道へ映像を配信し、疑似トラフィックで輻輳を発生させ、輻輳状態からの回復について確認を行うことが予定されている。
今後は、JGN-X広域実験イベントでの輻輳解消実験から得られた知見などを踏まえ、実運用に必要な機能拡充や多様な条件での技術の実証を行っていく予定。将来ネットワーク/新世代ネットワークへの適用を視野に入れ、2020年の実用化を目指して研究開発を進めていく。

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