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ポリマスプレイでセンサの光感度向上

January 25, 2013, Munich--ミュンヘン工科大学(Technische Universität München)の研究チームは、従来のシリコンセンサよりも光感度が高く、製造も容易で安価にできる、新世代のイメージセンサを開発した。
このセンサは、センサ面に導電プラスチックをスプレイで極薄形成する。ポリマスプレイコーティングの化学成分は、光スペクトラムの不可視光レンジでも検出できるように替えることができる。これにより、コンパクトなカメラやスマートフォンをターゲットにした低コスト赤外(IR)センサが開発可能になる。
イメージセンサは、全てのデジタルカメラの中心部分。ディスプレイにスナップショットが現れる前に、センサが先ずレンズからの光を電気信号に変換。イメージプロセッサは、この信号を用いて最終的な写真を創り出す。
コンパクトな携帯電話カメラは、CMOS技術で製造したシリコンベースのイメージセンサを採用しているものが多い。ミュンヘン工科大学(TUM)のPaolo Lugli教授とDr. Daniela Baierlは、このCMOSセンサのパフォーマンスを向上させる経済的な工程を開発した。
課題は、イメージセンサ表面にプラスチック溶液を加える点にある。研究チームは、液状プラスチックを可能な限り正確かつ経済的にコーティングするために、スピンコーティングとスプレイコーティング法をテストした。研究チームの狙いは、数100nm厚程度の滑らかなプラスチック膜の形成。簡単なスプレイガンもしくはスプレイロボットのいずれかを用いるスプレイコーティングが最良の方法であることが分かった。
有機センサは、テストによってすでにその価値が証明されており、光感度が従来のCMOSセンサに比べて3倍以上向上する。CMOSセンサでは、電子的構成要素がピクセルの一部、光活性シリコン面が隠されるためであると研究チームは説明している。
有機センサは、CMOSセンサで一般的に必要となっている高価な後処理工程なしで製造可能(マイクロレンズなどは不要)。エレクトロニクスを含め、ピクセルの全ての部分に液体ポリマ溶液がスプレイされ、100%の光感度を持つ表面が形成される。有機センサの低ノイズ、高フレームレートという特性によって、このセンサはカメラに最適となる。
プラスチックセンサのもう1つの優位点は、化合物を替えることで光スペクトラムの他の領域にも適用可能になることだ。例えば、PCBMとP3HTポリマは、可視光検出に最適。他の有機化合物、スクアライン色素などは、近赤外域に感度がある。
(詳細は、www.tum.de)

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