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3DカラーX線で癌や腐食などをリアルタイム検出

January 10, 2013, Manchester--マンチェスター大学の研究チームは、ほぼリアルタイムで3D X線画像を撮ることができるカメラを開発した。シンクロトロンX線光源は不要。
スキャンした対象物の組成を特定できるこのカメラの能力により、空港でのセキュリティスクリーニング、医療イメージング、航空機の保守、産業用検査、物理探査が急速に改善されることになる。
このX線システムは、材料学部のRobert Cernik教授の研究チームが開発したもので、コカイン、セムテックス(プラスチック爆弾)、貴金属、放射性物質などの化学物質、化合物が特定できる。それらが、例えスーツケースのような比較的大きなケースに入っていても検出可能。
この方法は、製造部品の歪発見にも拡張可能。例えば、航空機の翼。また、腐食過程、化学変化の画像化にも使用可能。ヘルスケアでは、生検標本の異常組織タイプの発見に使える。地球物理探査では、掘削孔からのコア試料の内容を迅速に解析する用途にも使える。
Robert Cernik教授は、最近の研究の進捗に関連して「この技術をラボで使用できることは大きな前進だ。5年前にこのアイデアを開発したときは、X線を作るために強力なシンクロトロンが必要だった。また、当時はシリコンベースのディテクタしか利用できなかった。シリコンは軽量原子であり、大きな物体を透過してくる高エネルギーX線を止めることができないので、この点が問題になる。現在われわれは、非常に高いエネルギーまでリアルタイムで、ハイパースペクトラルX線イメージングをサポートする80×80ピクセルカメラ(カドミウム・亜鉛・テルライドから作製)で、同じイメージング結果を実現できる」とコメントしている。
同教授によると、スパイラルCATスキャナのような現在のイメージングシステムは、X線ビームに含まれる情報の全てを利用していない。新技術では、すべての波長を利用して多くの異なる撮像幾何でカラーX線画像を提供することができる。この方法は、ハイパースペクトラルイメージングと呼ばれることがある。3Dイメージの各ボクセル(体素=3Dのピクセルに相当)で材料構造についての特別な情報が得られるからだ。この特別な情報は、3Dイメージのポイントで材料のフィンガープリント検出に使用できる。
この新しい技術では、X線を照射した対象の情報が増えるだけでなく、3D画像を作る時間も短縮される。多くの分離した画像を組み立てる(マッピング)のではなく、この新しいシステムは簡単な1回のスキャニングで画像を作ることができる。現状では、7分かかる。
同教授は、特定のアプリケーション毎にパートナーを探している。

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