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長波長レーザで薬物のフィンガープリントを取る

December 28, 2012, Enschede--テラヘルツレンジ(遠赤外~1mm)で動作するレーザにより、化学分析よりもドラッグ検査能力が向上する。
トゥエンテ大学(University of Twente) MESA+ナノテクノロジー研究所、PhD学生Thomas Denisは、自由電子レーザ(FEL)とフォトニック結晶を組み合わせた。その結果、高い柔軟性を持つコンパクトなレーザが誕生。同氏は、この研究成果でPhDを取得した。
テラヘルツレーザは、そのレーザビームが分子や原子結合を調べるのに適した波長であるため、例えばドラッグ(麻薬)の分子構造を明らかにすることができる。これにより、化学分析よりも多くの空間情報、詳細なフィンガープリントが得られる。しかし今日まで、障害となっていたのは、このタイプのレーザが特定の波長に限られていたことだ。その理由は、光源が半導体であり、電子は固定のエネルギー状態しかとらないため、発振できる光の「色」(波長)が限られていた。
古典的な陰極間(CRT)内の電子と同様に、自由電子レーザでは電子は固定状態に縛られない。Denis氏は、自由電子光源とフォトニック結晶を組み合わせることを考案。これは沢山の小さな「ポスト(柱)」を持つ構造で、ここで入射光が減速されコヒーレントビームに変わる。フォトニック結晶はマイクロレベルで作製できる、例えばlab-on-a-chip。あるいは、もっと大きくすることも可能だ。結晶のサイズや形状がおおよその波長域を決め、正確な波長は、それに対して照射する電子のスピードを変えることで調整できる。この組合せは、フォトニック自由電子レーザ(pFEL)として知られている。
既存のテラヘルツレーザは大きすぎて部屋いっぱいになるという問題がある。フォトニック結晶を用いたことでDenisが設計したpFELは、家庭用の電子レンジ程度になり、それにも関わらず高出力である。同氏は、通常ではできないことだが、フォトニック結晶の内部を見る特別な方法も見出した。微小金属ボールを用いて結晶内の波長パタンと干渉させることで、実際のパタンが計測できる。
(詳細は、www.utwente.nl)

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