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ライス大学、光で生化学反応をリモート制御

December 28, 2012, Houston--エジソンの最初の電球以来、熱は光の望ましくない副産物であった。ライス大学の研究チームは、必要に応じて光を熱に変え、ナノスケールで生化学反応を遠隔制御する。
この方法の研究成果は、ライス研究所のMichael Wong, Ramon Gonzalez, Naomi Halasの3氏によるもので米国の化学界の雑誌ACS Nanoに報告されている。ここでは珍しい細菌、好熱細菌を利用する。好熱細菌は、高い温度で繁殖し、室温で繁殖が止まる。
ポスドクフェロー、Mattew Blankschien氏と大学院生Lori Pretzer氏の研究プロジェクトは、この微生物の酵素と近赤外光で熱くなるプラズモン金ナノ粒子とを結合。これによって酵素が活性化し働くようになる。
これは、より低い温度で効果的に化学プロセスを可能にする。加熱は必要なところだけ、ナノ粒子の表面で起こるので、周辺の温度は低いままとなる。
Blankschien氏は、「高温環境を必要とすることなく高温製造の利点が得られる。課題は、酵素が活性化するナノ粒子でより高い温度の影響をその周囲の環境に影響がないようにすることだった」と言う。
この技術は、熱を必要とし、光によるリモートトリガーの利点を必要とする産業界の工程で大きな可能性がある。化学および生体分子工学教授、Wong氏は、「化学業界では、反応を、より安価に、よりグリーンに、より持続的にするために優れた触媒物質が常に求められている。例え高額で販売できたとしても、何ガロンもの溶媒で1mgの製品を造るわけにはいかない」とコメントしている。
産業界にとっては、エネルギー節約の可能性だけでもライス大学の工程は検討の価値がある。「ここでは無料のエネルギーを用いている。大きなボイラーでスチームを出す代わりに、LEDのようなエネルギー効率のよい電球が使える。あるいは、窓を開ければよい」(Wong氏)。
プロセスの中心の粒子は、約10nm(W)×30nm(長)の金のナノロッドで、これはレーザの近赤外光で加熱される。このロッドは、800nm付近の光に反応する最適サイズ、形状。光が、プールのさざ波のように表面プラズモンを活性化、この場合はエネルギーを熱として放射する。
この新しい研究では、Aeropyrum pernixからのグルコキナーゼ、好熱性酵素モデルで覆ったナノ粒子を加熱する。Pernixは、1996年に日本海沖で発見された微生物。176°F付近でpernixがグルコースを分解、これはほぼ全ての生物で必要なプロセス。この酵素は繰り返し加熱、冷却が可能。
(詳細は、www.rice.edu)

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