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インスブルック大学、新しいQCLコンセプトを探求

December 19, 2012, Innsbruck--マイクロエレクトロニクスでは熱が問題を起こすことがよくあり、エンジニアは、例えばマイクロチップの動作中に発生した熱を冷却によって散逸させなければならない。インスブルックの研究チームは、熱でパワーを与えるレーザコンセプトを提案した。このアイデアは、マイクロチップの冷却に、全く新しい方法を開く可能性がある。
50年前の発明以来、様々な波長やパワーのレーザ光は人々の日常生活で多く使われるようになっているが、全ての波長が同じように十分に研究されているわけではない。遠赤外レーザやテラヘルツにとっては、量子カスケードレーザ(QCL)は最も重要なコヒレント照射光源となっている。QCL増幅は、多様なドーパントを入れた特別設計の半導体層、電流が流れる層の繰り返しパタンにより実現されている。「電子はこの構造によって、トネリングプロセスと量子飛翔で移動し、コヒレント光を発振する。これらの層の間で電子は他の粒子と衝突し、熱が発生する」とインスブルック大学理論物理学研究所、Helmut Ritsch氏は説明する。量子カスケードレーザは、強力に冷却される限りにおいてのみ動作する。発生する熱が大きくなりすぎるとレーザ光は消失する。
レーザの熱を少なくする方法を探していた時、Kathrin Sandner(PhD 学生)とHelmut Ritsch両氏は、画期的なアイデアを思いついた。QCLの加熱効果が避けられるだけでなく、半導体層の厚さをうまく変えることで逆に冷却できる理論を両氏は提案した。「重要な点は、レーザの冷たいエリアと熱いエリアを空間的に分けることだ。そのような熱勾配のレーザでは、電子は熱いエリアで熱的に励起され、次にフォトンが発せられる冷たいエリアにトネリングされる」。これによって、光の粒子が発せられ、同時に熱がシステムから吸収される回路が生まれる。「光の粒子の連続発振の間に、フォトンが吸収され、レーザが冷やされる。このアイデアをさらに発展させると、フォトンの存在がレーザ増幅に十分なエネルギーを与えられるようになると考えた」(Kathrin Sandner氏)。そのようなレーザは、電流を用いることなくパワーを与えることが可能だ、と同氏は主張する。
「もちろん、このコンセプトを実験で行うのはかなり難しい。しかし、もし成功すれば、まさに技術革新であり、内的な冷却が実現する。この簡素化されたコンセプトは技術的には可能であり、すでに実験物理学では実験されつつある。
「このアイデアのエレガントなコンセプトはさておき、冷却によって熱を散逸させる代わりにマイクロチップの熱を用いる全く新しい方法が開発されつつある。
(詳細は、www.uibk.ac.at)

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