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導電性ポリマーナノ粒子で熱を発生し大腸癌細胞を殺す

December 18, 2012, Winston-Salem--ウエイクフォレストバプティスト医療センター(Wake Forest Baptist Medical Center)は、太陽エネルギー用途で一般に用いられている導電性ポリマを改良して、医療用途の画期的なポリマーナノ粒子(PNs)を開発した。このナノ粒子に赤外光を照射すると熱が発生し、その熱で大腸癌細胞を殺すことができる。
形成外科Nicole H. Levi-Plyachenko(Ph.D.)助教授の研究チームは、医療アプリケーション向けに重要なポリマの2つの新機能を発見した。ポリマをナノ粒子にして水に散らし、赤外光を当てると大量の熱が生ずる。
この研究結果で、PNsとともに培養された大腸癌細胞に赤外光を5分照射すると、95%の細胞が死ぬことが示された。「この研究結果は、材料科学研究から新たな医療の進歩が得られることを実証している」とLevi-Polyachenko氏はコメントしている。
研究チームはポリマーナノ粒子を作製し、その加熱能力に影響を与えることなく繰り返し加熱、冷却ができることを示した。これは金属ナノ粒子に対する利点となる。金属粒子は光熱処理中に溶けて加熱効果がなくなるからだ。これにより、熱処理耐性を持つターゲット細胞に対する次の処理も可能になる。
最近、光熱治療用に開発された他の導電性ポリマの課題は、この種のポリマが幅広い範囲の赤外光を吸収することである。Wake Forestのポスドク研究者、論文の筆頭著者、Christopher M. MacNeill氏は、「われわれは、極めて狭い範囲の赤外光を吸収するように設計された導電性ポリマを用いた。また、50~65nmの小さなポリマーナノ粒子を開発した。目的は、生物学的移送と熱転移の両方を最適化することにある」と説明している。
また、この新しいPNsは有機物であり、毒性はなく、ナノ粒子の効果が体内にとどまるという心配もない。
Levi-Polyachenko氏によると、このナノ粒子が安全に患者に使用されるために必要な研究はまだたくさんあるが、「大腸癌治療の代替アプローチを含め、この新しいナノ粒子の今後の医療アプリケーションへの適用に大きな期待を寄せている」と話している。
(詳細は、www.wakehealth.edu)

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