Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

December 4, 2012, Petaluma--超短パルスレーザメーカー、レイディアンス(Raydiance)は、最先端の指向性赤外線防御(DIRCM)アプリケーション向け1mJクラスフェムト秒パルスレーザシステムの開発促進で100万ドルを獲得した。
レイディアンスは、米国海軍航空システム司令部から受注し、18ヶ月のフェーズII SBIRプロジェクトが11月から開始された。これに続いてさらに1年のオプションフェーズがあるが、開発技術は材料加工で商用利用も考えられる。
レイディアンスの開発の目的は、自動パルスチューニングシステムで、これは大気効果を予め補償するものであり、局所条件にかかわらず、所望のレーザパルスエネルギーと品質が標的に向けて送り出されるようにするための技術。フェムト秒レーザ技術を用いるDIRCMは、持ち運び可能な防空システム(MANPADS)から発射される最新世代の赤外線追尾式ミサイルを撃破することができる。
米国海軍によると、高いピークパワーと超短パルスとの組合せは、最先端の脅威に対する最良の反撃となる。ファイバベースのフェムト秒レーザは、コンパクトで航空機搭載に適していることから、最も望ましい技術であると見なされている。
最先端の脅威とは、第4世代の赤外線追尾システムだが、DIRCMはフェムト秒レーザの位相や振幅を調整することでこの脅威を撃退することができる。
これまで開発の障害となっていたのはコンパクトなフェムト秒レーザシステムのパルスエネルギーの限界だった。これは、光ファイバ内部で生成するパルス歪に起因する。開発は、1mJエネルギーというパフォーマンス目標を満足すること、ファイバの非線形光効果の補償のために位相調整システムを利用することに注力して来た。
以前の位相調整は、Phase II STTRプロジェクトの課題、最新のNAVAIR資金による開発は、時間的、スペクトラル的、空間的に超短パルスレーザのクローズドループチューニングの最適化に向けられる。
1mJレベルに達すると商用実装も視野に入る。このエネルギーレベルでは、フェムト秒パルスは5mm厚の金属を、産業用途で満足できるスピードで切断できる。