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ルンド大学、パーキンソン病治療で光で脳細胞を刺激

November 1, 2012, Lund--遺伝子組み換え神経細胞に光に反応するタンパク質を用い、神経細胞を実験動物の脳に移植。脳に光ファイバを挿入し、神経細胞に光を照射して刺激し、パーキンソン病に効果があるドーパミンを増やす。スウェーデンのルンド大学(Lund University)の実験室では、このような研究を進めている。
現状では、これは基礎研究の段階で、長期的目標はパーキンソン病治療の新しい方法の発見にある。パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンを作る脳細胞の機能低下によって起こる。
人や動物で多くの実験が行われ、健全な神経細胞を移植してドーパミン不足を補おうとしているが、移植によって起こることを調べるのが難しい。
Merab Kokaia教授によると、神経細胞を移植した後の新しい細胞の振る舞いがどうなるのかが分からない。「期待通りに周囲の細胞との連係ができ、正常に機能してドーパミンを作ることができるのか。光を使ってドーパミン生成を促進できるのではないか。こういうことを、光遺伝学を利用して調べたい」と同教授はコメントしている。
光遺伝学により、光を使って脳内のある細胞をコントロールし、他の細胞には影響を与えないようにする。これを行うために、関連細胞に特別な光に感度があるタンパク質の遺伝子を持たせる。そのタンパク質は、脳に埋め込んだ光ファイバからの光を照射する細胞に反応を起こさせる。細胞は、光照射により「スイッチが入る」。
この研究は、パーキンソン病モデリングの実験ラットで行われる。移植細胞は成人の皮膚からとり、神経細胞として「リプログラム」した。Merab Kokaia教授は、このプロジェクトで、Malin Parmar, Olle Lindvall神経研究者と協働する。
光に反応するタンパク質はバクテリアから取り出す。このバクテリアは、光を使ってエネルギーを得ている。これは人間のタンパク質ではないので、この方法が人に適用される場合には安全チェックは極めて厳しくなる。
(詳細は、www.lunduniversity.lu.se)

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