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日立、唾液分泌量に相関する血液量変化の計測技術を開発

October 26, 2012, 東京--日立製作所(日立)と日立国際電気サービス(HS)は、唾液の分泌に応じて血液量が変化する様子を計測する製品を開発した。
この製品は、脳内の血液量の変化を計測する光トポグラフィ技術を応用しており、より日常に近い環境で計測することができる「ウェアラブル光トポグラフィ」シリーズの新製品として、WOT-S20をラインアップに追加した。同製品は、HSが設計、製造、品質保証を行い、日立が販売を担当する。飲食料品関連企業や大学などの研究機関向けに非薬事品として11月1日より受注を開始する。
従来、唾液分泌量を計測する方法は、唾液をビーカーに吐き出す方法、口内に脱脂綿を入れ重量計測を行う方法や、唾液腺に管を挿入し、直接計測する方法など計測時に被験者に負担がかかるものだった。今回の製品では、顔の側面の唾液腺(耳下腺)近辺に専用センサをあてることにより、少ない負担で簡単に計測することが可能。リアルタイムに計測する血液量の変化を活用することで、例えば飲み物を飲みながら計測できるようになる。
これまで日立は、微弱な近赤外光を頭皮上から照射することで、脳内の血液量変化を無侵襲で計測し画像化する技術、光トポグラフィ法の研究を行ってきた。光トポグラフィ法は、より日常に近い状況の中でも脳内の血液量変化を計測できるという特長があり、日立では、これらを生かして脳活動を計測するため、小型化・携帯化の技術開発を進めてきた。また、新たな用途に展開する可能性を探究しており、今回は唾液の分泌に応じて血液量が変化する様子の計測法を開発した。
WOT-S20は、頭部に装着するヘッドセット、計測するための設定や計測結果を保存する携帯制御ボックス、計測結果を表示する計測コントローラの3点で構成。ヘッドセットは、左右1チャンネルずつ近赤外受発光センサを搭載し、左右の顔の側面の耳下腺近辺に設置する形状。

製品の主な特長
(1) 負担の少ない簡単な装着
光源と受光部をブロック化したヘッドセットを開発。左右の顔の側面の耳下腺近辺に設置する形状で、左右1chずつ計2箇所の唾液分泌の変化量と相関した血液量変化を計測する。ヘッドセットは補助なしで簡単に装着可能。
(2) 近赤外分光法を用いたリアルタイム計測
安全な近赤外光を使っており、薬物を投与する必要なく無侵襲に計測できる。また、近赤外分光法により、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、トータルヘモグロビンの変化量をリアルタイムに計測しデータを表示する。
(3) 小型・携帯型・複数同時計測を実現
携帯制御ボックスと計測コントローラは無線LANによる双方向通信を用いて、計測結果をリアルタイムに計測コントローラに表示。また、無線LANを使わなくても、ヘッドセットと携帯制御ボックスで計測も可能。機器を増設すれば、1台の計測コントローラで4人まで同時に計測することができる。

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