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光誘起エレクトロニクスに有望なプラズモニクス

October 18, 2012, Houston--ライス大学(Rice University)の研究チームは、エレクトロニクスや新しいセキュリティおよび暗号デバイスの設計と製造の効率性を高められるようにグラフェンに光をドープしようとしている。
シリコンでは化学的にドープを行い、その半導体特性を調整するが、米国化学ソサイエティジャーナルACS Nanoで報告されたブレイクスルーは新しいコンセプトであり、これはプラズモン誘起ドーピンググラフェンである。この技術により、グラフェンに即席に回路が作製される、つまり光誘起エレクトロニクスだ。グラフェンにプラズモニックアンテナのパタンを作製すると、光を操作し、電子を材料に注入して伝導性を実現する。
この研究は、理論的、実験的な作業を含んでおり、簡便なグラフェンベースのダイオードやトランジスタをオンデマンドで作製できる可能性を示している。
「グラフェン研究の大きな理由の1つはエレクトロニクス実現だった。シリコンを知っている者は、p-ドープ、n-ドープ(正/負)できるのでエレクトロニクスが実現できると考えており、研究者たちはグラフェンではどうすればこれができるかを研究している」と物理学教授、Peter Nordlander氏はコメントしている。
同氏によると、グラフェンエレクトロニクス開発ではグラフェンのドーピングが重要パラメータとなる。以前の実験では研究グループは、フォトディテクタとして動作するプラズモンナノ粒子をグラフェンシートに成長させることに成功している。金属粒子は、光を反射するというよりも、そのエネルギーの方向を変える、表面を波のように流れるプラズモンは、励起されると発光したり、「ホットエレクトロン」粒子、制御可能な波長を生み出す。近接プラズモン粒子が相互作用し、これらもチューナブルである。
その効果は材料のファノ共鳴グラフで簡単に見ることができる。ここではプラズモンアンテナはノナマーズ(九量体)と呼ばれ、いずれも径が300nm程度で、アンテナに合った(チューンされた)特別な波長以外のレーザ光を散乱させる。ライス大学の実験では、1個の大きめのディスク周辺に配置されるように8個のナノスケールのディスクが電子ビームリソグラフィによりグラフェン上に成長された。ナノマーは、500~1250nmの光を散乱するようにチューニングされているが、825nm付近で相殺干渉が起こる。
相殺干渉ポイントで、ほとんどの入力光エネルギーはホットエレクトロンに変換されて、そのままグラフェンシートに移動し、シートの一部を伝導体からn-ドープの半導体に変える。
プラズモンナノ粒子アンテナは、チューニングにより、任意の可視光、異なる偏向状態に応答するようにできる。Nordlander氏によると、プラズモン共鳴のチューニングは望み通りにできる。「今回は、使える光源のスペクトラルレンジの真ん中であることから、825nmに決めた」。
この技術は、新しいセキュリティ、暗号デバイス開発にも利用できる。鍵を使う代わりに、特定のパタンの光を使って、ドアのロックを解錠する日をNordlander氏は予想している。
(詳細は、www.rice.edu)

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