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玉川大学、電流変調によるY-00暗号トランシーバ小型化へ大きく前進

October 12, 2012, 東京--玉川大学量子情報科学研究所、二見史生准教授は、世界で初めて、Y-00(光通信量子暗号)トランシーバの小型化を目指し、電流を変調してY-00暗号信号を作り出す方式を提案し、実験検証に成功した。
Y-00暗号は、米国国防高等研究計画局(DARPA)が要請する巨視的量子効果を用いた物理暗号で、現状の通信特性に見合った性能を実現できる有望な物理暗号。従来、外部変調器と呼ばれる変調器を用いてY-00暗号信号を作り出していたが、外部変調器は比較的サイズが大きいために、小型化が困難であるという課題があった。今回、光を発生するレーザを駆動する電流を直接変調することで、外部変調器なしでY-00暗号信号の生成に成功した。さらに、生成したY-00暗号信号品質評価実験として、学内に敷設してある屋外光ファイバ回線で80km伝送後の通信特性を評価し、良好な通信特性が得られた。この成果により、従来、ブルーレイレコーダ程度の大きさだったY-00暗号トランシーバを、ライター程度の大きさまで小型化できる見通しが立ち、Y-00暗号による安全な暗号通信の実用化に向け、大きく研究開発が前進した。
玉川大学では、さらなるネットワークの利用形態の進展が、通信回線での盗聴の危険性が原因で妨げられることがないように、盗聴できない通信システムの実現に向けた暗号の研究開発を推進している。これまで、 Y-00プロトコルによる暗号通信の実用を目指し、Y-00暗号トランシーバ試作等を行い、通信特性の評価を実施してきた。今回、Y-00暗号トランシーバの小型化に向け、トランシーバを改良。ライター程度の大きさまで小型化可能な改良試作を行い、学内に敷設してある屋外光ファイバ回線を利用して、通信特性を評価。2.5Gb/s、80kmの通信回線において、良好な通信特性を実現した。これにより、通信装置の小型化が強く求められる加入者系などにおいても、Y-00暗号通信の適用の可能性が示された。

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