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タフツ大学の研究者、乳癌診断に光マンモグラフィ

October 2, 2012, Medford--タフツ大学工学部(Tufts University School of engineering)で開発された新しい光イメージング技術が、乳癌診断、治療のモニタリングの両方で注目されている。
この非侵襲技術では、近赤外(NIR)光を用いて胸部(乳房)組織をスキャンし、得られた情報を解釈するアルゴリズムを適用する。光吸収の違いにより、水、脂肪、酸素を豊富に含む組織、酸素の少ない組織、つまり乳房組織の主要構造を特定する。
この研究を主導する生物医学工学教授、Sergio Fantini(Ph.D)氏によると、「X線マンモグラフィは組織の病変発見は得意であるが、疑わしい病変のどれが実際に癌であるかの特定は苦手だ」。タフツ大学のNIR技術は、標準マンモグラフィを補完するものとなる。特に、40歳以下の女性で、X線では細部が曖昧になりがちなほど乳房組織が稠密な場合に適している。
NIR技術では、イオン化放射線を用いないので、放射線被曝の危険なしで、短期的に何度も利用できる。また、ヘモグロビン濃度や酸素化のレベルなどの代謝性変化の有効なリアルタイム画像も取得できる。
Fantini氏の説明によると、乳癌化学療法を受けている患者は、癌部位でのヘモグロビンや水の濃度の減少、脂質の増加が報告されている。「このことは、NIRイメージングが乳癌の診断だけでなく、治療を受けている患者のモニタリングにも、適用できることを示している。繰り返しX線を使う必要がない」。
光マンモグラフィは、従来のマモグラム(乳房のX線写真)と比べて苦痛が少ない。患者の乳房を2枚の平面ガラスパネルで軽く押さえ、NIR光を照射するだけでよい。光システムが前後にスキャンすると、高度なソフトウエアプログラムが胸部画像をリアルタイム表示する。システムの光ディテクタが、胸部を等化したNIRビームの強度を表示する。
光情報をもとにしたアルゴリズムを用いることでこの技術は、透過光を利用して胸部画像を生成する。画像は自動的に表示され、X線と同様に、直ちに読み取ることができる。装置はコンパクトな可搬、ハンドヘルド機器にまとめられている。
Fantini氏の研究チームは、タフツ医療センタと協力して、胸部に疑わしい部位を持つ2人の患者について、X線で集めた情報を確証できるかどうか、概念実証実験を行った。
タフツ医療センタの胸部ヘルスセンタ、Roger Grahamディレクタは「このテスト結果は、X線マンモグラフィで得られた結果と一致した。患者にとっては苦痛がなく、放射線被曝もない」とコメントしている。光イメージングは、癌組織を特定することができるという実証を得ることに成功した。
(詳細は、www.tufts.edu)

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