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レーザを同期させて光が物質を変える仕組みを計測

September 5, 2012, Berkeley--米国エネルギー省(DOE)ローレンス・バークレー国立研究所(バークレーラボ)のThornton Glover氏をリーダーとする国際研究チームは、SLAC国立加速器研究所を使って、超高輝度X線パルスと、それよりも低い周波数の、通常のレーザからのパルス光とを混合した。混合した光でダイヤモンドサンプルを狙い、結晶の化学結合に対する光による直接操作を個々の原子レベルで計測することができた。
X線と光波長の混合は、X線回折技術と言い、タンパク質や他の結晶形態の生物分子の構造解明に以前から用いられているのと同じ技術である。しかし、従来の回折と異なり、波動混合は光が物質内の電荷分布をどのように再形成するかを選択的に調べる。これは、光による摂動を受けた電荷から散乱されたX線と、非摂動電荷からの散乱X線とを明確に区別することによって行われる。
「物質の原子で軌道を回る電子を2つのグループの1つと考えることができる。アクティブな電子は外側の、束縛が緩い価電子で、これは化学反応に寄与し、化学結合を形成する。傍観者となる電子は、原子核の周りにしっかりと捉えられた電子だ」とGlover氏は説明する。
同氏によると、X線のフォトンエネルギーが、電子の結合エネルギーと比べて大きいので、一般的な散乱実験では全ての電子が比較的大きな力で散乱し、はっきりと区別できない。内核電子信号は通常、弱い電荷の信号を圧倒する。内核電子は価電子よりも数が多いからだ。X線はどこに原子があるかを教えるが、通常、化学的に重要な電荷がどのように分布しているかは明らかにしない。しかし、光がX線とともにあると、化学的に関連がある電荷の一部を小刻みに動かす。これによりX線散乱が起こり、X線フォトンエネルギーが変化する。
変わったX線は、元のX線パルスとそれと重なる光パルスの両方の周波数の和に等しい。わずかに高いエネルギーへの変化が明確な指標になり、波動混合と従来のX線回折との違いになる。
この他、物質の化学結合あるいは伝導電子の進化も追跡することができる。
(詳細は、www.lbl.gov)

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