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NIMS、有機半導体材料のバンドダイアグラムを大気中で高速測定

August 28, 2012, つくば--物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点ナノエレクトロニクス材料ユニット半導体材料開発グループは、有機半導体材料のバンドダイアグラムを大気中で簡便かつ高速で測定できる装置の開発に成功した。研究グループは、知京豊裕ユニット長、柳生進二郎主任研究員、吉武道子主席研究員、後藤真宏主幹研究員。
有機ELデバイスは、白熱電球や蛍光灯に代わる次世代照明のデバイスとして期待が高い。有機ELデバイスは、発光や電子・ホール輸送などの特性を持つ有機半導体を積層し、それを電極で挟み、電気を流すことで発光させるデバイス。その有機ELデバイスの特性や量産性を大きく左右するのが有機半導体材料であるが、その材料開発には、電子特性と光学特性の両方の情報を含んだバンドダイアグラムを知ることが重要。これまでは複数の装置を用いなければこのバンドダイアグラムを求めることができなかった。このため、測定試料の設置方法や、真空などの測定環境の違いなどによる材料の変質や、測定時間などの問題があった。
研究グループは、バンドダイアグラムに必要な電子特性と光学特性の両方の情報を、同時にかつ大気中で測定できる装置を開発。測定は、紫外域から近赤外域の光を試料に照射して、反射または透過する光と、光電効果によって放出される電子とを同時測定することによって行う。これにより、高速で正確なバンドダイアグラムを求めることができる。大気中測定では、電子は、大気中にある酸素や窒素と衝突して遠くに飛ぶことができないので、新開発の装置では電子を集める電極を反射測定の邪魔にならないように、試料近くに配置することで同時測定を可能にした。
研究では、試料を測定装置に一度セットするだけで、バンドダイアグラムに必要な電子特性と光学特性の両方の情報を同時に得ることができ、測定の高速化と高精度化が実現された。そのため材料開発から測定への流れがスムーズになり新材料開発を加速できる。
(研究成果は、平成24年9月11日から14日に愛媛県松山市で開催される第73回応用物理学会学術講演会において発表される)。

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