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MIT開発の新プロセスでLEDディスプレイなど改善

August 27, 2012, Cambridge--半導体超微小結晶(ナノクリスタル)でできた薄膜が、幅広いアプリケーションに適用できる新材料として有望視されている。
ナノクリスタルは、電子回路、光回路、ディテクタ、生体分子、高解像度ディスプレイの発光画素として使用でき、高効率の太陽電池としても有望であると見られている。
半導体ナノクリスタルのサイズが電気特性、光特性を決めるが、構造的に均一な膜を実現するためのナノクリスタル生成のコントロールが難しい。一般的なナノクリスタル膜にはクラックがあり、このために利用が制限される。また、この材料の基本的特性の計測も困難。
MITの研究チームは、ナノクリスタル膜の欠陥のないパタンを作成する方法を見出したと報告した。それによると、膜の形状や位置はナノスケールの分解能で制御でき、これにより研究や新たなアプリケーション分野が開かれる可能性がある。研究チームは、MIT化学教授、Moungi Bawendi氏、Lester Wolfe氏。
このような制御が可能になったことで、たとえ同じ材料であっても、サイズを変えることで幅広い色範囲で光る材料を作成することが可能になる。
この研究の第1フェーズでは、ポスドクTamar Mentzel氏が赤外光を発するナノスケールのパタンを作製。次に同氏は、半導体ナノクリスタルパタンを可視光で光らせ、光学顕微鏡で見えるようにした。これにより、この新技術の開発速度が加速された。「たとえナノスケールパタンが光学顕微鏡の分解能以下であっても、ナノクリスタルは光源として動作するので見えるようになる」とMentzel氏は言う。
この欠陥のない膜の電気伝導性は、通常の方法で作製したクラックのある膜と比べると約180倍大きい。また、MITの開発したプロセスは、30nmのシリコン面にパタンを作製することができる。欠陥のない膜の微小パタン作製についてMentzel氏は、「膜を均一にし、SiO2基板に密着させることだ」と説明している。ナノ結晶層成長前に、表面を覆う薄いポリマ層を残すことによって可能になる。研究チームは、ナノクリスタル表面上の微小有機分子がナノクリスタルをポリマ層に結合させるのに役立っていると考えている。
Kastner氏によると、このようなナノクリスタルパタンのアプリケーションは多い。ナノクリスタルは、幅広いスペクトラルレンジの光を発光するようにも、吸収するようにもチューニングできるからだ。したがって、広い範囲のスペクトラルを吸収する新しいタイプの太陽電池も可能になる。
また、微量の生体分子を高感度に検出するディテクタの開発も可能であり、毒物スクリーニングシステム、医療検査器具として展開できる。
(詳細は、journal Nano Letters)

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