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ねじれPCFでフィルタリング効果

August 13, 2012, Erlangen--長手方向にねじるだけでマイクロストラクチャード光ファイバはフィルタになる。マックスプランク研究所光科学の研究チームは、PCFでこの効果を詳細に計測し、説明理論を見いだした。この研究成果は、光通信、レーザやセンサ、光アンプなど、新しいアプリケーションに道を拓く。
PCF(photonic crystal fibres)の伝送特性は、それらを長手方向にねじると変わる、つまりある波長の伝送特性が極度に劣化する。光ファイバがスパイラルになり、フィルタのように機能するからだ。この特性の変化は、ねじり方によって簡単に制御できる。強くねじればねじるほど、長波長側の伝送特性が落ちる。
Philip Russell氏の研究チームは、この効果を詳細に調べた。PCFの片端を固定し、モーターを使って他端を正確に軸周りに回転し、CO2レーザをファイバに沿ってスキャニングしてガラスを熱し軟化させた。幅広い波長に渡りほぼ等しく光を出すことができるスーパコンティニウム光源をねじったファイバのコアに入力し、OSAを利用して伝送スペクトラムを計測し、特にどの波長が効果的に抑圧されているかを調べた。
実験では、400~1000nmの範囲の伝送で4箇所がはっきりと落ち込んだ。これは予想どおりであり、PCFのねじり方を強くすると長波長側に抑圧点はシフトする。Philip Russell氏は、「以前の研究は、フィルタのある種の格子効果を説明していた」と言う。「ねじりサイクルの長さが増すにともない最小伝送波長は増えていなければならなかったが、われわれの計測とシミュレーションでは、全く逆である」。
同氏の説明によると、19世紀のフィルタ効果について、1878年、イギリスの物理学者、John William Strutt(Lord Rayleigh)が、「音はロンドンのSt. Paul大聖堂のドームの周りの円環パスを伝わる」と言っている。オプティクスにも"Whispering Gallery"効果がある。例えば、光がガラス球内部で何度も跳ね返ると一定の光波長で高品質の共鳴が起こる。
同様のことは、ねじったPCF内でフィルタリング(抑制)された波長にも起こる。Honeycombクラッディング内に軌道共鳴が現れ、パワーはコアから側面に流出し、まっすぐに流れない。そのため、パワーはほとんど他端まで伝わらなくなる。「高感度カメラを使うと、特に強く抑圧された波長(色)でファイバ側面が光っているのが見える」(Russell氏)。
研究チームは、この効果について興味深い技術応用を期待している。特に魅力的なのは、PCFはいかようにも捻れると言うことだ。つまり、特定波長のフィルタが自由に造れることを意味する。このようなコンポーネントはいろんな分野で重宝する。光データ転送、センサ、ファイバレーザ、光アンプなどだ。また、ファイバに沿ってねじり方を変えられるので、多様なフィルタが沢山造れる。要は、ファイバの線形、非線型応答を変えて、スーパーコンティニウム生成の2つのパラメタに影響を与えることができる。

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