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テキサス大学が世界最小の半導体レーザを開発

July 30, 2012, Austin--テキサス大学の研究者が台湾と中国の研究チームと協力して世界最小の半導体レーザを開発した。これはコンピューティングから医療までのアプリケーションで新たに注目されているフォトニック技術にとってブレイクスルーと言える。
半導体レーザの微小化は、より高速、小型、低エネルギー消費のフォトンベース技術にとって重要である。アプリケーションとしては、超高速コンピュータチップ、病気の検出、治療、研究用の高感度バイオセンサ、次世代通信技術などがある。
そのようなフォトニックデバイスは、ナノレーザを用いて光信号を生成し、情報を伝達する。また、電子回路に取って代わる可能性もある。しかし、フォトニックデバイスのサイズとパフォーマンスは、いわゆる3D光回折限界によって制限を受けていた。
テキサス大学物理学教授、Chih-Kang “Ken”Shih氏によると、今回、3D回折限界の遙か下で動作するナノレーザデバイスが開発された。「ナノレーザ技術に対する影響はかなり大きい」と同氏は言う。
論文では、Shih研究グループは、CW、低しきい値、3D回折限界以下のレーザ動作を初めて報告した。発振したナノレーザの色はグリーン。小さすぎて裸眼では見えない。
デバイスはGaNナノロッドで作製されており、一部InGaNが使用されている。これらはいずれもLEDで一般に使用されている半導体材料。ナノロッドは薄いシリコン絶縁層の上に置かれている。シリコンは、原子レベルの滑らかさを持つ銀箔層を覆っている。
これはShih研究室が15年以上書けて完成させた材料。「原子レベルの滑らかさ」が、散乱してプラズモンを失わないようなフォトニックデバイス作製の決め手になる。プラズモンは電子の波であり、大量のデータの移動に使用できる。
「原子的に滑らかなプラズモン構造は、データ損失の少ないアプリケーションにとって極めて望ましいビルディングブロックとなる」とShih氏は言う。
このようなナノレーザは、全てのチップがチップ上に含まれる、いわゆる「on-chip」通信システム用のチップ開発を可能にする。これによって、多くのチップ間でデータをやりとりするエレクトロニクスデバイスで一般的となっている、熱の発生と情報の損失を防げる。
「エレクトロニクスとフォトニクス間のサイズの違いが、オンチップ光通信やコンピューティングシステムの実現に大きな障害になっていた」と台湾の清華大学教授、Shihの以前の博士課程学生、Shangjr Gwo氏はコメントしている。
(詳細は、www.utexas.edu)

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