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ノースカロライナ大学、LCプロジェクタの光効率を2倍に

July 30, 2012, Raleigh--ノースカロライナ州立大学の研究チームとイマジンオプティクス(ImagineOptix Corporation)は、非偏光を偏光に変換する新技術を開発した。これにより液晶(LC)技術を使用するプロジェクタはエネルギー効率が約2倍になる。この新技術により、プロジェクタは小型化、ローコスト、高効率となり、バッテリー寿命も延び、発熱レベルも大きく下がる。
会議などで使用されている全てのプロジェクタは偏光を用いている。しかし、効率のよいLEDなどの光源は非偏光となっている。そのため、LEDから出力される光は利用前に偏光に変換されなければならない。
光を偏光にする最も一般的な方法は、偏光フィルタを通す必要があるが、このプロセスでは元の光エネルギーの50%以上が失われる。失われた光は熱に変わるので、プロジェクタが熱くなり、クーリングファンの騒音の原因となっている。
NC州立大学が開発した新技術は、非偏光の約90%を偏光に変換し、プロジェクタに利用する。
イマジンオプティクスが資金を提供している研究チームは、この技術を「ピコプロジェクタ」に利用して、スマートフォン、タブレット、その他の機器に組み込むこともできる。
NC州立大学電気・コンピュータ工学教授で、論文の共同著者の一人、Dr. Michael Escutiは、「新技術は偏光グレーティング偏光変換システム:PGPCS(polarization grating-polarization conversion system)と呼ばれている。この技術を利用するとプロジェクタの電源は2倍長持ちする。すべてのLCプロジェクタは2倍明るくなるが、消費電力は現状と変わらない」と説明している。
従来の偏光フィルタを用いると50%以上の光が失われるが、新技術では非偏光の約10%しか熱に変換されないので、音のうるさい冷却ファンが不要になり、サイズも一段とコンパクトになる。
この技術は4つの固定パーツからなる小型の単一アセンブリ。非偏光ビームはまずレンズアレイを透過する。レンズは光を格子状のスポットに集光させる。次に光は、ガラスプレート上の薄いLC材料層でできた偏光グレーティングを透過する。偏光グレーティングが、光のスポットを分けて組(ペア)を作ると、これが逆の偏光の組になっている。さらに光は、よろい状の波長板を透過する。波長板は透明な、パタン化されたプレートの集合であり、これによって光ビームは同一偏光になる。最後に、第2のレンズアレイが光スポットを単一の均一な光ビームにする。
(詳細は、Applied Optics July 10)

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