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富士通、光ファイバ超多点温度センシング技術を用いてトライアル

June 12, 2012, 東京/仙台--富士通は、東北電力、東北インフォメーション・システムズの協力を得て、データセンタ室内の温度分布のリアルタイムで精緻な可視化を実現し、その結果を用いて、空調消費電力を最適化するトライアルを実施した。
温度分布の可視化には、富士通研究所が開発した光ファイバを用いた超多点温度センシング技術を適用しており、データセンタへの大規模な導入では、世界初。可視化された温度分布をもとに、データセンタ室内空調効率の大幅な改善を実現し、一年間の電力消費の約20%にあたる最大35万キロワット時(kWh)の電力、CO2換算で120トン(t)の削減を見込んでいる。
データセンタに配備されているICT機器を適正に冷却するためには、効率良く冷気を供給するとともに、機器から排出される暖気は、冷気と混ざることなく、適切に還流させることが求められる。
従来は、限られたセンシングポイントの温度データに基づく改善を行っていましたが、室内の隅々まで空調環境が最適化されているかの検証は困難だった。
富士通は、富士通研究所が開発した光ファイバ超多点温度センシング技術を、東北電力グループの東北インフォメーション・システムズが運営するデータセンタの温度分布の可視化に適用し、その結果を用い空調の最適化に向けたトライアルを実施。
温度センサとなる1本の光ファイバを、サーバラックの前面・背面、天井面、床下に敷設し、データセンタ内の温度分布を精緻(10cm間隔)かつリアルタイム(30秒ごと)に測定し、以下の事象が判明した。
・天井付近の一部に熱溜まりが発生、その暖気の一部がサーバラックの吸気面に回りこみ、ラック上部が高温化。
・隣接するサーバラック間で暖気が冷気と混ざり合い、吸気面に供給される冷気の温度が上昇。
この結果に基づき、温度分布の変化をリアルタイムに観察しながら、空調の最適化対策のトライアンドエラーを繰り返した。
実施期間は2012年2月より2012年3月まで。
測定対象: サーバラック(約120台の前面および背面)、床下(サーバラック設置箇所の2重床下)、天井近傍(サーバルームのほぼ全面、
光ファイバを50cm間隔で平行に敷設)

実施内容
稼働中のデータセンタにおいて、ファシリティ面や、機器の配置などの変更を伴わない対策の実施
・ビニールシートにより、天井吸気口および床下グリルの一部を閉鎖し、冷気と暖気の循環経路を適正化
・ラック風向制御板により、ラックの排気風向を上方に誘導し、床下冷気と分離
・吹出し風向制御板により、空調機の吹出し部の風向を適正化
・床下風向制御板により、ラック近傍の床下気流を変更適正化
・空調機を5台停止

成果
データセンタの空調に関わる年間の消費電力を、最大で約20%削減、約35万キロワット時(kWh)、CO2換算120トン(t)の削減を見込む。
富士通は、「今後も継続して、運用状況に対応しながら、同技術による空調運転の最適化と安定稼働の両立を図っていく」としている。
(詳細は、http://pr.fujitsu.com/jp/)

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