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OCTで鼓膜裏の生物膜バクテリアを見る

June 6, 2012, Champaign--イリノイ大学電気・コンピュータ工学Stephen Boppart教授の研究グループは、OCTのアプリケーションの1つとして耳の鼓膜の裏を非侵襲的にイメージングする機器を開発した。
慢性的な耳感染にかかっている患者は鼓膜の裏に繁殖したバクテリア、微生物の生物膜ができている可能性がある。これは、歯磨きをしない歯に溜まる歯垢と似ている。これらの生物膜を見つけること、モニタすることは慢性耳感染の診断、治療にとって極めて重要だ。
Boppart氏によると、生物膜に対して抗生物質が常に効くわけではないことが知られている。バクテリアが自衛し耐性ができるからだ。生物膜による慢性的な耳感染があってもバクテリアは通常の抗生物質に反応しないことがあり、薬を止めることになる。生物膜を検出できないかぎり、治療が効いているかどうかは分からない。
中耳の生物膜は診断が難しい。標準的な耳鏡(otoscope)で見る医者は鼓膜の表面を見ているのであって、その裏で繁殖するバクテリアの生物膜は見ることができない。侵襲的検査をすれば生物膜の痕跡を明らかにすることはできるが、これは患者にとって苦痛であり、定期的に行うことはできない。
OCTの光を外耳に送るとそれが散乱し、鼓膜で反射される。生物膜がその背後にある。反射光を計測すると、参照光によってその構造が詳細に分かる。
1回のスキャンは1秒もかからない。一時もじっとしていられない赤ん坊には、スピードが必要。この1回のスキャンで鼓膜の裏、数mmの深さでイメージングする。これによって医者は生物膜の存在だけでなく、その厚さ、鼓膜のどの位置にあるかも知ることができる。
研究グループは、耳の他の病理学研究にもこの機器を用いる計画であると言う。また、現在ハンドヘルドのプロトタイプをさらに小型化して使いやすくローコストにすることも検討している。
(詳細は、online Early Edition of the journal Proceedings of the National Academy of Sciences the week of May 28)

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