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物質・材料研究機構、世界最高面密度の量子ドットの自己形成に成功

June 5, 2012, つくば--物質・材料研究機構(NIMS)先端フォトニクス材料ユニット、間野高明主任研究員、定昌史ポスドク研究員および佐久間芳樹グループリーダは、NIMSのオリジナル技術、液滴エピタキシー、半導体量子ドットの自己形成技術の高度化を進め、従来報告された値を大幅に上回る世界最高の面密度を持つ量子ドットの新形成技術の開発に成功した。また、形成した量子ドット集団から強い光励起(フォトルミネッセンス:PL)発光を観測して、開発した技術が優れた結晶品質の実現にも有効であることを明らかにした。
量子ドットは、半導体レーザの大幅な特性向上や、新たな動作原理に基づく超高効率の太陽電池の開発を目的として、近年注目が高まっている。新たに開発した技術では、従来の液滴エピタキシー法によるガリウム砒素(GaAs)量子ドット形成技術に対し、(1)高い指数面を持つ基板の利用、(2)室温付近でのガリウム液滴形成と結晶化、(3)照射ガリウム量の最適化による液滴の合体現象の抑制を導入した。その結果、格子歪みの無いガリウム砒素量子ドットを7.3×1011/cm2という極めて高い面密度で自己形成することに成功した。さらに、作製した量子ドットの熱処理過程を工夫することで、室温付近での結晶化に起因する欠陥が回復し、量子ドットから強いPL発光が観察できることを見出した。
液滴エピタキシーは、基板結晶との間に格子歪みのない量子ドットを自己形成可能な唯一の手法として注目されており、原理的には歪みによる結晶性劣化の制約を受けず、成長方向に多数の高品質な量子ドット層を近接して配置できる利点がある。そのため、今回開発した超高密度の面内量子ドット技術と組み合わせれば、従来技術では実現不可能であった極めて高い体積密度の量子ドット材料を作製できる。この研究成果により、量子ドットを用いた光・電子デバイスのさらなる高性能化の達成が期待される。
(詳細は、Applied Physics Lettersオンライン版)。

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