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バイオチップで白血病やHIV診断を高速・低価格化

June 4, 2012, University Park--ペンシルベニア州立大学の研究者によると、白血病やHIVの細胞を迅速にスクリーニングする安価な可搬デバイスが間もなく実現する。これを可能にするのは、連続的に細胞に3Dフォーカスできるチップが開発されたからだ。
同大学エンジニアリング科学・機械助教授、Tony Jun Huang氏は「HIVの診断はCD4細胞のカウンティングに基づいている。診断の9割はフローサイトメトリを用いて行われる」と言う。
Huang氏の研究グループは、シングルフローの粒子や細胞にフォーカスし、各細胞に対して光学的に異なる3つの評価を行う量産可能なデバイスを設計した。「このデバイスは、病院、診療所、フィールドでの臨床診断用の安価なフローサイトメトリに向けた大きな前進である」と研究チームは考えている。
「臨床診断ツールとしてのフローサイトメトリの潜在力はまだ完全に発揮されていない」と研究チームは捉えている。問題は、高コスト、大きなサイズ、メカニカルな複雑さ、担当者に高度なトレーニングが必要なこと。これらがこの技術の利用の障害になっている。
フローサイトメトリは通常、光センサを用いて細胞を3通りの方法で観察する。強く集束されたレーザ光を用いて細胞を照射し、各細胞から3つの光信号を取り出す。これらの信号は細胞に結合した抗体からの蛍光であり、これによって細胞の生化学的な特性が分かる。前方散乱から細胞のサイズと屈折率が分かり、側方散乱から細胞の粒度が分かる。これらの信号を処理することによって混合細胞集団から個々の細胞を特定し、蛍光マーカーを認識し、細胞をカウントし、その他の分析を行ってHIV、癌、他の病気の進行度を調査する。
現在のフローサイトメトリ装置は10万ドルと高価。今回の新開発技術を使うと1000ドル程度の小型装置を開発することができる、とHuang氏は言う。
現在の装置を大型で高価にしている理由の1つは、細胞を1つのファイルにチャネル化し、そのシングルファイルのセル(細胞)ストリームとレーザおよび複数センサとのアライメントが必要となる方法だ。現在、細胞は精巧な3Dフローセル(これは製造難易度が高い)を用いてシングルファイルに導く。さらに大きな問題は、これらの装置が光のアライメントに複数のレンズとミラーを必要とすることだ。
「新開発のアプローチでは、簡単な1レイヤ、2Dフローセルが必要なだけで、光のアライメントは不要だ」(Huang氏)。
研究チームは、「マイクロフルイド・ドリフティング」と名付けた独自の技術を用いて粒子の集中ストリームを作り出す。曲がったマイクロチャネルを使い、車を運転しているときにカーブで車内の乗客が受けるのと同じ力を利用する。マイクロフルイドチップのチャネルは、キャリア流体フローを含む主チャネルとして、また粒子や細胞を運ぶ垂直の第2チャネルとして利用される。これら2つのチャネルが合体すると直ぐに、チャネルは90°に曲がる。これによってすべての細胞は水平線方向に移動する。カーブの後、流体は両サイドからチャネルに入り、水平状の細胞は強制的にシングルファイルにされる。続いて、細胞はマイクロレーザビームの中を通過することになる。
このマイクロフルイドフローサイトメトリチップの利点は、モールディングと標準リソグラフィプロセスで量産できるところにある。
「光ファイバは、チップに挿入すると自動的にアライメントされる。したがって、光アライメントのために大きなレンズやミラーは不要だ。われわれの装置はバッテリー駆動できる程度に小型であり、アフリカでも他の遠隔地域でも利用可能だ」とHuang氏は言う。
研究チームは、この装置を市販のセルサイズ蛍光ビーズを用いてテストした。現在、実際の細胞でテストを行っている。

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