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Purdue大学、実用的なメタマテリアルを開発

May 25, 2012, West Lafayette--パデュー大学(Purdue University)の電気・コンピュータ工学Alexandra Boltasseva助教授の研究チームは、従来の銀、金を用いないでメタマテリアルを実現する方法を実証した。
これらの金属は高価であり、半導体製造工程に適合しないので産業用途としては実用的ではない。また、光は効率よく伝送されず、ほとんどは失われてしまう。研究チームは、これらの金属を「アルミ添加亜鉛」(AZO)で置き換えた。
Boltasseva氏は、「これにより光メタマテリアル実現のために全く新しい材料が入手できることになる」とコメントしている。
この研究で主要な貢献をしたのは博士課程の学生Gururaj V. Naik氏。研究チームは、交互に積層した16層のAZOと酸化亜鉛からなる新しいメタマテリアルを開発した。酸化亜鉛からAZO層に透過する光は「極度の異方性」に直面し、分散が「異常」になる。これによって光の振る舞いが劇的に変わる。
「酸素添加により、パフォーマンスが強化され、半導体と相性がよい」(Boltasseva氏)。
このメタマテリアルの可能なアプリケーションリストには、「平面ハイパーレンズ」がある。これにより光学顕微鏡は10倍強力になり、DNA程度の微小な対象を観察できる。また、最先端のセンサ、より効率的なソーラコレクタ、量子コンピューティング、遮蔽装置などもアプリケーションとして挙げられている。
AZOはメタマテリアルの光特性を調整することも可能で、Boltasseva氏は「早急な商用化が望まれる成果だ」としている。
同氏によると、光特性の調整は2つの方法で可能。1つはAZOのアルミ濃度を変えること。また、作製したメタマテリアルに電界をかけることでも光特性を変えられる。
このスイッチング機能により、ハイパーボリック、ノンハイパーボリックを簡単に切り替えられる新しいタイプのメタマテリアルに道を開く可能性がある。
「これは、チューニング、スイッチングできる全く新しいデバイスファミリだ。AZOは誘電体から金属になる。よって特定の波長で、印可した電圧で金属になり、電圧を変えると誘電体になる。これによって大幅に機能を変えることができるようになる」とBoltasseva氏は見ている。
研究チームは、酸化亜鉛にアルミを添加した。このことは酸化亜鉛がアルミ原子を含んでいて材料の光特性を変えることを意味する。酸化亜鉛にドーピングすることで、それはある波長では金属のように、別の波長では誘電体のように振る舞うようになる。
この材料は、光通信で重要な近赤外のスペクトラムで動作することが示されている。研究チームは「光ブラックホール」を利用して太陽エネルギーアプリケーションに向けて新しい世代の集光デバイスが造れるようになると考えている。
現在の光技術は限界が見えている。効率のよい光制御では、コンポーネントが光波長のサイズ以下にできない。メタマテリアルは光を、ナノスケールを含めて、あらゆるスケールで導波、制御できる。
自然の材料と違い、メタマテリアルは「屈折率」を1以下、あるいは0以下にすることができる。このため、ハイパーレンズのようなアプリケーションが可能になる。
(詳細は、www.purdue.edu)

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