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ウイーン工科大学、原子のプロセスを可視化

May 21, 2012, Vienna--強いレーザビームは原子から電子を奪い取ることができる、これは瞬間的に起こるプロセス。ウイーン工科大学(TU Vienna)では、時間分解能10アトセカンド以下でこの現象が研究できる。
研究チームは、原子のイオン化、自由電子の「誕生」を見ることに成功した。こうした計測は、原子内の電子について価値の高い情報を提供するものであり、これまでは量子的な波の振動、電子の量子位相の時間的な展開などは実験的に知ることができなかった。
実験では、短パルスレーザを原子に照射する。各レーザパルスが光波となっており、その波が原子をスイープすると、原子周辺の電界が変化する。電界は原子から電子を引き剥がすが、それが起こる正確な瞬間は決められない。「電子は、原子とレーザパルスとの相互作用中のあるポイントで原子からはぎ取られるのではない。いくつかのプロセスの重ね合わせがある、これは量子力学ではよくあることだ」とウイーン工科大学フォトニクス研究所のMarkus Kitzler氏は説明している。一個の電子が原子から引き剥がされるのは時間的に様々なポイントであり、これらのプロセスがいっしょになって、水面上の波のように、複雑な波のパタンを作り出す。
「この量子力学的波の干渉によって、イオン化プロセスにおける電子の量子状態についての情報が得られる」と理論物理学のJoachim Burgdörfer教授はコメントしている。同教授の研究チームは、フォトニクス研究所でこの実験チームと共同研究を行っている。この実験における量子は波のように干渉するが、建設的であったり破壊的であったりする。電子の波動周期は極めて短く、量子位相は素早く変化する。「通常、この量子位相はほとんど計測できない」とMarkus Kitzler氏は言う。高精度計測と詳細な理論計算を組み合わせることで電子の量子位相についての情報が今、得られるようになっている。この計測のための重要ツールが特殊なレーザビーム、異なる2波長を含むものだ。原子と相互作用するレーザパルスは極めて精巧に調整されている。これらのパルスを用い、研究チームは量子位相を計測することができた。量子位相は、電子がレーザによって剥ぎ取られる前に原子内に(レーザ光によって決まるビート対して)存在する電子。「われわれが現在、計測できるこの量子位相から、原子内の電子のエネルギー状態についても知ることができ、イオン化が起こる正確な位置についても知ることができる」とMarkus Kitzler氏は言う。そのために研究チームは、10アト秒(10×10-18秒)以下の精度で量子位相を計測しなければならなかった。

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