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NIST、FWMで超光速パルスを生成

May 10, 2012, Gaithersburg--NISTの研究史グループは、ある意味で光速を越える、超光速の光パルスを生成する新たな方法を開発した。この方法は4光波混合(FWM)と呼ばれ、光パルスを整形し、真空で初期状態のまま伝搬するようにされていたなら、それがあったと思われる位置よりも先にパルスを進める。
アインシュタインの特殊相対性理論によれば、真空中の光伝搬が普遍的な速度制限となる。いかなる情報も光よりも速く伝搬することはできない。
しかし、ある種の抜け穴がある。短い光の爆発は、統計の釣鐘曲線のようにある種の対称的なカーブとして到着する。カーブの最先端は光速を超えることはできないが、パルスピークは前後に歪み、通常よりも到着が早まったり遅れたりする。
最近の実験は、パルス先端を増幅し、最後部を減衰あるいは切り捨てることで、「情報は持たない」が光速を超えるパルスを生成した。この方法では、大きなノイズが生じ、見かけ上の速度はさほど増えない。FWMは、パルスを形成する光波を「段階的に配置し直したり」、再整形したりすることによってパルスノイズを減らしてきれいにし、速度を速める。
FWMでは、研究チームは200ns長のレーザ「シード」パルスをルビジウム原子気体の入った加熱セルに、シードパルスとは異なる周波数の別の励起ビームとともに送り込んだ。ルビジウム気体がシードパルスを増幅し、パルスが超光速になるようにそのピークを前方にシフトする。同時に挿入ビームからのフォトンがルビジウム気体と相互作用し第2のパルスを生成する。これはシード光に対する数学的関係から「共役」と呼ばれる。そのピークもレーザがどのようにチューニングされているか、またレーザ内部の状態によって速くなったり遅くなったりする。
実験では、パルスピークは真空を伝搬する光よりも50ns速く到着した。
このシステムに関して研究グループが考えている直接的なアプリケーションの1つは量子不協和(quantum discord)。量子不協和は、2つの相関システム(ここではシードと共役)間で共有する量子情報を数学的に定義する。速いビームとレファランスビーム間の量子不協和を計測することで、研究グループはこの速い光が量子情報の伝達と処理にどのように役立つかを見極めたいと考えている。
(詳細は、www.nist.gov)

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