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ソーラグレードシリコン製造コストを削減する新プロセス開発

April 23, 2012, Cambridge--ケンブリッジ大学(University of cambridge)の研究者が開発した新しいプロセスはソーラグレードシリコンの製造コストを削減する可能性があり、これにより太陽エネルギーを取り込むPVデバイスの利用が促進されると見られている。
ソーラパネルのモジュールを供給するPV業界の成長を阻んでいる要因の1つはソーラグレードシリコンコスト高であると言われている。ケンブリッジ大学の研究チームは、ソーラグレードシリコンの新しい製造プロセスを開発し、サイズを拡大しようとしている。研究チームによると、エネルギー消費やコストに関して効率性は80%優れており、CO2排出は90%削減できる。
ケンブリッジ大学、材料科学・冶金学、Derek Fray教授の研究チームが開発したFFCケンブリッジ工程をベースに、Dr Antony Coxは新たに改良を加えFFCを初めてシリコンに適用し、現在R&Dの最終段階に至っている。
シリコンは太陽電池(PV cells)で最も一般的に使用されている材料。これまでにソーラグレードシリコン製造の新プロセス実現を目指した研究は多かったが、「すべてがエネルギーを大量消費し、工程は複雑で、商用プロセスになったものは1つもない」とCox氏は言う。
さらに、一般に用いられているシリコン原料製法では、シリコン1トンあたり数10トンのCO2が発生し、精製(シーメンス法)では、さらに45トンのCO2と毒ガスが発生する。
「クリーンで持続可能なエネルギー源を利用するためにPV業界が必要とするシリコンの95%が、このような環境破壊的な工程で供給されるとは、皮肉なものだ」とCox氏は言う。「実際、シーメンス法で製造した太陽電池は、それを製造するために必要となるエネルギーと同等のエネルギーを生み出すには6年の稼働が必要だ」。
Cox氏が開発している2段階プロセスは、白砂と塩化カルシウム(食品業界で一般的に使用されている)を原材料として用いる。まず、圧縮した砂のタブレットを塩化カルシウム電解液に沈め、900℃まで熱する。砂の中のシリコンはFFC工程中、酸化物として存在する。酸素原子はイオン化され、アノードに移動し、酸素として放出される、これは反応の副産物に過ぎない。砂をシリコンにするのは簡単ではなく、Cox氏は4年かけてこの基本課題を解決し、工程初期段階の規模を拡大しようとしている。
第2段階、同じ太陽電池の電気製錬工程ではシリコン純度を99.99%から目標の99.9999%に上げる。
Cox氏の工程で決定的に重要な点は、最小のエネルギー消費と、副産物がCO2ではなく酸素(O2)である点。「製造工程は少ないので、大規模化は容易だ。このプロセスを用いると、ソーラグレードシリコン製造コストが、現在の40~200ドル/kgから8ドル/kgに下げられる」と同氏はコメントしている。
(詳細は、www.cam.ac.uk)

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