Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

March 5, 2012, Geneva/Carlsbad--STMicroelectronics(ST)とLuxteraは、フランスのクロール(Crolles)にあるSTの300mm工場で、STが開発した専用プロセスを使いLuxteraのシリコンフォトニクスを量産する契約を結んだ。
クロール工場での生産により両社は、世界最先端のシリコンフォトニクスコンポーネント/システムの低コスト、量産ソリューションで市場の要求に応えていく。
シリコンフォトニクスは、光ネットワーキング、CPUインタコネクト、データストレージと言った高速コンピューティングや通信アプリケーションがマルチテラビットにスケールしていくための鍵となる技術と見なされている。シリコンフォトニクスにより、実績豊富なローコストシリコン製造技術を用いて高速光通信デバイスを製造することができるようになる。従来のGaAs、InPベースの化合物半導体材料は高価であり、この点でもシリコンフォトニクスに優位性がある、とLuxteraは見ている。
今回の提携についてSTMicroelectronicsミックストプロセス部門ジェネラルマネージャ、Flavio Benetti氏は、「強力なシナジーである」とコメントしている。「この強力なシナジーは、技術と業界のリーダー2社の補完的な力から生まれたものであり、大きなブレイクスルーとなる。これによりシリコンフォトニクスは、光ネットワーキング、超高速コンピュータプロセッサ、その他のアプリケーションでメインストリームとなる。決め手となるのが、クラス最高のシリコンフォトニクスIPプラットフォームが量産されて商用となることだ」。
今回の両社の契約により、Luxteraのシリコンフォトニクス技術を新しいSTのフォトニクスプロセスおよび将来世代のプロセスに導入する権利が認められる。STはLuxteraに、高信頼、スケーラブル、コスト効果の高いサプライチェーンを提供し、Luxteraは数量と品質で成長市場の要求に応えていくことができる。両社の提携により、シリコンフォトニクスは新しい時代に突入し、経済的なメインストリーム技術となる。
この提携の持つ意味についてLuxteraの社長/CEO、Greg Young氏は、「当社の基盤技術を前進させ、最先端のCMOSノードによるSoCと光トランシーバを集積することで、大規模システム向けのフォトニックSoCを提供することができるようになる」と説明している。
新しい最先端の300mmシリコンフォトニクスプラットフォームはSTが開発。これによって得られる主な利点は次の3つ。1つはパフォーマンス: データレート100Gbps、400Gbpsおよびそれ以上に向けて、ローコストトランシーバのスケーラビリティが確保される。高密度化: 最小消費電力の超高密度インタコネクトが可能になる。相互接続性:1310nm、1490nm、1550nm波長をサポート。
シリコンフォトニクスに最適化されたプロセスは、フランスにあるSTのCrolles技術センタで開発。ここではSTの他の主要CMOS R&D計画、高性能アナログBiCMOS技術なども進められている。