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3DイメージングLIDAR開発に取り組むESA

February 29, 2012, Paris--ESAは、深宇宙探索用ナビゲーション支援として3DイメージングLIDAR(light detection and ranging)の開発に取り組んでいる。光の波長は電波よりも遙かに短いので、LIDARの測定精度は大幅に向上する。
ESAのプロジェクトを監督しているJoao Pereira Do Carmo氏によると、現在開発に取り組んでいる3DイメージングLIDARは3つのアプリケーションが想定している。1つは、惑星への着陸機のガイダンス、ナビゲーション、制御、特に安全な着陸地の選定。次に、惑星表面での移動操舵、3番目は惑星軌道でのドッキング用途。これは、Mars Sample Return Missionで重要になる。例えば、軌道で待機している母船が、火星の表面からマテリアル(材料物質)を運ぶ上昇モジュールを追尾して捉えなければならないことがあるからだ。
地上のイメージングLIDARはすでに存在しており、一般にビルや工業サイトのスキャニングに使用されているが、宇宙で使うにはあまりにも大きすぎる。それよりも遙かに小さく、消費電力も極めて少ない、新しいタイプのイメージングLIDARを実現することが課題になっている。必要となる技術的な難しさを考慮して、設計を分割して2つのコンソーシアムで並行して開発した。1つは、ドイツ、イェーナのJena-Optronik、もう1つはUK、CulhamのABSLが担当した。
靴箱サイズのイメージングLIDARは可変ブレードのスキャンミラーを採用。このミラーがレーザビームを弾き出してターゲットをスキャンする。ディテクタの感度は高く、数km先から戻ってくるビームを計測できる。
2種類の設計は、それぞれ異なるガイダンスとナビゲーション用途を狙ったもので、ドイツのユニットは、将来のランデブセンサだが、UKのデザインは着陸船が危険物を検知して避けながら安全に惑星に着陸できるよう支援することを目的にしている。
このイメージングLIDAR技術プロジェクトは、ESAのBasic Technology Research Programmeの支援を受けた。同プログラムは、有望な新しい工学概念の試作を目的にしている。
開発の進捗を受けて、着地用LIDARは現在、ESAのLunar Lander(月着陸船)用の設計を進めている。着陸船は、2018年、月の南極への着陸が計画されている。
エンジニアは、新しいタイプのディテクタやMEMS光ミラーを使うことでLIDARをさらに一段小型化することを考えている。Joao氏は、「現在の市販のLIDARシステムの質量と消費電力を、少なくとも70%削減できる」としている。
(詳細は、www.esa.int)

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