Laser Focus World JAPAN　レーザーフォーカスワールドジャパン

February 3, 2012, Albuquerque--サンディア国立研究所のエンジニアが、ケーブルに不可欠の通信電子回路に光パワーを送り、制御するハイブリッドケーブルを共同開発した。現在、特許申請中。
開発者によると、この新しいハイブリッドケーブルは、安全、セキュリティ、爆発物、防爆機器、航空および医療機器などのアプリケーションで既存の銅線ケーブルに取って代わる。
Steve Sanderson氏によると、PoF(Power over Fiber)ケーブルにはパワーの限界がある。つまり、家庭への電力供給、コンピュータネットワークの高速性には対応していない。しかし、ローパワーセンサや安全関連のアプリケーションの制御などでニーズが高まっており、便利な光生成パワーには大きな利点がある。
PoFケーブルの両端は、pinとソケットコネクタを持つ一般的な銅線電気ケーブルに似ている。しかし、光インタフェース回路(backshell)がコネクタハウジングに集積されていて、データ通信と光パワーの両方を光伝送することができる。
エネルギーを保存するために、光パワーはオンデマンドで供給する。ここで問題になるのは、電気エネルギーの散逸や、落雷などによって起こる高圧の電気サージから完全なる電気的遮蔽を維持することだ。
第1世代のPoFケーブルは、デバイス間のデータ通信用に光パワーをケーブル内の電子回路に供給することしかできなかった。現在では、外部接続のローパワー機器に電力を供給できるようになっている。
ケーブルの現在のバージョンでは、通信用のプラスチック光ファイバに結合したLEDを持つ円形回路ボードスタックをバックシェルが包み込んでいる。レーザダイオードや微小PV型電池もガラスファイバの両端に結合されて、光パワーを供給する。
次のバージョンでは、ガラスファイバだけを使う計画であるとされている。Sanderson氏によると、プラスチックファイバはガラスに比べると準備時間が少ないが、サイズが大きい点が問題。
研究チームは最近、PoFローエネルギー起爆ケーブルを、バックシェルに組み込んだ点火エレクトロニクスでテストした。光でパワーを供給される点火装置には、マイクロコントローラが内蔵されており、起爆装置の抵抗、温度、充電電圧などをレポートし、起爆装置を動作させるための指示を受けるようになっている。アイドル状態もしくはパワーダウン時には、回路は起爆装置の入力リード線に短絡して、不要な電気エネルギーを阻止するように設計されている。
研究チームは、次世代のマイクロコントローラ、新しいパッケージングレイアウト、新しい光デバイスを利用してサイズを小さくしようとしている。また、頑丈で製造に耐えるPoFケーブルを開発し、バックシェル長を短くして、重量やコストを下げようとしている。
狙いは、幅広く使用されるように物理的なサイズを縮小することにある。
(詳細は、www.sandia.gov)