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ヴュルツブルク大学などの研究者がシングルフォトン光源開発で前進

February 2, 2012, Stuttgart--ヴュルツブルク、シュトゥットガルト、ウルム大学の研究者がシングルフォトン光源開発で大きく前進した。
シングルフォトンを発する画期的なコンポーネントをシュトゥットガルト大学、ウルム大学の研究グループとヴュルツブルク大学のJens Pflaum教授が発表した。光源は、有機EL(OLED)用の標準的な材料で構成されており、製造も容易で電気制御も可能。最も重要な点は、室温で動作することだ。これまで、GaAsなどの半導体材料で作製する光コンポーネントは、いずれも冷凍機で冷却しなければ動作しなかった。
この新しいコンポーネントのデザインについてPflaum教授は、「携帯電話でお馴染みのディスプレイのピクセルと全く同じだ」と説明している。電気伝導層を基板に配置するが、ここではガラスプレートを用いる。次に、個別の色(カラー)分子を持つ有機プラスチックマトリクスをガラスプレートに加える。このマトリクスに電気接点をとりつける。これをバッテリーにつなぐと、カラー分子に電流が流れ、連続的にシングルフォトンが発生する。これは量子相関法で研究者が実証した。
これを達成するには、重要な3つの仕掛けがあった。1つは、「適切なカラー分子の選択だ」とシュトゥットガルト大学のMaximilian Nothaft氏は言う。この分子は、3つの有機複合体が1つのインジウム原子の周りに集まっている化学構造。
2番目は、マトリクス内にカラー分子を適切に分布させたことだ。分子の密度を高くしすぎると相互作用し、独立したシングルフォトンを発しなくなる。
3番目は、「電気接点とマトリクスとのインタフェースの最適設計だ」シュトゥットガルト大学のJörg Wrachtrup氏は説明する。「これは、必要な電子、電荷のキャリアを最初にポリママトリクスに注入するのに重要となる。今回、アルミ/バリウム二重層で構成したコンタクトで成功した。
次の課題について、Pflaum教授は、「カラー分子と電気コンタクトのマトリクスを様々な材料に堆積して、プラスチック膜のような柔軟性のある基板を使えるようにすることだ」と言う。これがインクジェットプリンタのように動作する機器を使ってできるようになると、光源を1つの面に置くことが極めて簡単になる。このような技術は、実験室では何年も前から使っている標準的な技術だ。

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