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マイクロキャビティアレイを次世代照明に

December 28, 2011, Arlington--空軍科学研究局(Air Force Office of Scientific Research)の資金を獲得したイリノイ大学の研究チームは、照明にマイクロプラズマを利用する研究を進めている。同大学のDr. Gary Eden, Dr.Sung-Jin Parkがエデンパークイルミネーション社(Eden Park Illumination, Inc)を設立し、この新しい照明技術を世界に普及させようとしている。
「1966年に学生といっしょに一塊のシリコンに取り組んでいるとき、シリコンに小さな孔を開けて、その穴の内部でプラズマを発生させようとした。間もなく直径400μmの穴の内部でプラズマを発生させ、これが現在のマイクロキャビティアレイ照明システムの先駆となった」とDr. Edenは説明している。
同氏がこの思いがけない発見に興味を抱いたのは、空間と圧力の問題だった。プラズマ安定状態の基本ルールは直径の何倍もの圧力であり、プラズマのサイズが小さければ小さいほど圧力は高くなり得る。マイクロプラズマで得られる極めて高い圧力から独自の照明やその他の特性が得られる。この時点で、“eureka”電球(ここではMCA:マイクロプラズマアレイ)が文字通り点灯する。
蛍光灯と同様にマイクロキャビティアレイには電圧を供給する。シート状の材料内の並行するマイクロキャビティ列にそのプラズマを閉じ込めることに成功したことで、EdenとParkはついにマイクロプラズマアレイの多様な実装にたどり着いた。安価でウェハレベルの厚さの極めて柔軟なシート照明がその中に含まれている。これら照明アレイの要所が柔軟シート内部に形成されたマイクロキャビティ。Eden Park Illumination社が開発に取り組んでいる最も重要な実装の1つでは、陽極酸化槽にアルミフォイルシートを入れる、アルミフォイルの厚さは125μm。次に、キャビティは薄いガラスシートにシールドされる。その結果、厚さ1~2mmのアレイになる。
エデンパークのプラズマアレイはある程度耐久性を高めており、厚さは約4mm、200グラム以下の1枚のウェハとなっている。
現在の照明技術に対するこのアレイの利点は、第1にアレイがフラットである点。この点は効率への貢献度が高い。6×6インチ(厚さ4mm)のマイクロキャビティアレイと標準的な蛍光灯とを比較すればよい。蛍光管では明かりは水銀プラズマから取り出すが、このタイプの効率は75~80lm/W。しかし、360°設計になっているために、その光の多くは失われる。それに対して、MCAの利用効率は90%を上回る、例えば35lm/Wアレイは、かなり大きな蛍光灯に匹敵する。
さらにもう1つの利点は、MCAは水銀を含んでいないことだ。加えて、このアレイは蛍光灯と異なり、完全に減光可能である。
CRI(演色性)スケールでは、太陽を完全100とすると、MCAのCRIは80を上回っており、太陽品質に近づいている。
また、最初からリサイクル可能デザインに対応しており、寿命は2万時間。LEDとの比較では、寿命はLEDの寿命には及ばないが、発熱では大きな違いがある。MCAの発熱は遙かに少なく、LEDのようにアルミヒートシンクを必要としない。言い換えると、MCAは発熱が少ないだけでなく、遙かに軽量でもある。ただ、MCAの材料は安価であるが、現状ではまだコストを考慮した製造にはなっていない。
(詳細は、www.wpafb.af.mil)

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