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NIST、ナノワットレベルで光ファイバの絶対パワーを計測

December 28, 2011, Gaithersburg--国立標準技術研究所(NIST)の研究グループは、光ファイバの光パワーを絶対計測ができるプロトタイプデバイスを実証した。
同デバイスは世界初のファイバ結合した極低温放射計で、光ファイバパワー計測は基本電気単位および国家標準に直接リンクしている。デバイスは、世界最高のダーク物質である、林立する微小なカーボンナノチューブを計測に使用しており、ファイバ結合されていない極低温放射計で一般に得られるレベルの約1/1000の計測値を実現している。温度制御とスピードの改善により、同デバイスは通信、医療機器およびその他の産業分野において超低パワー、超高精度キャリブレーションニーズを満足している。
光パワーやエネルギーは、基本電気単位にトレーサブルとなっている。放射計はエネルギーを吸収し、それを熱に変換する。すると、同じだけの温度増を起こすのに必要な電力が計測される。光と電気加熱は正確に同等ではないので、計測不確かさは計量的には相対的に大きくなり得る。
一歩進んで、従来の電気単位ベースの放射計をフォトンベースの量子に変換することも実証された。
プロジェクトリーダー、John Lehman氏は、「主に光通信で、ファイバの光パワー計測を求める顧客は多い。われわれのシングルフォトン計測はファイバで行える」とコメントしている。
この新しい放射計は70mm長。厚さ1.45mmの光ファイバは片端にナノチューブアブソーバの光トラッピングキャビティとヒータを備えている。ウルトラダークナノチューブは、マイクロマシーンで作製された微小なX形状シリコン上に成長させる。光吸収が大きく、計測不確かさの特定は困難だったので、Lehman氏は英国の国家物理研究所(NISTに相当)の特別施設に出向き、計測を行った。
実験と計算により、新しい放射計は不確かさ0.1%で10ナノワットレベルまでのパワーを計測できることが示された。従来の光パワー計測では、同じパワーレベルでは不確かさは3%以上となる。さらに重要な点は、これらの商用デバイスが、国家標準へのトレーサビリティを確立するために一連のキャリブレーションに依存している点。
NISTの目標は、シングルフォトンベースで光パワーとエネルギーの絶対量子標準を開発することにある。開発は、幅広い光パワー計測をカバーする光源と、1個のフォトンから数兆個のフォトンまでをカウントできるディテクタを含む。シングルフォトンはすでに量子通信システムで使用されており、これは極微弱光信号の検出、セキュリティに対する量子的保証の付与などの新しい機能を提供するようになっている。

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