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中赤外フォトニックシステムを大きく変える欧州プロジェクト

December 2, 2011, Athens--中赤外スペクトラル域が、フリースペース通信、吸収分光、化学/バイオセンシング、LIDARなど多くのアプリケーションで選好波長域となりつつある。多様なアプリケーション全てにとって中赤外システムの重要エレメントは光源と検出器である。
光源には、最新のダイオードレーザ、量子カスケードレーザ(QCL)が利用されている。QCLは、一定程度の成熟域に達しているが、強度ノイズ、高速変調性能の点では、競合する近赤外に劣っている。MIRフォトニクスで最も開発が後れているのは、光検出で、これは応答が遅く、検出能力が低い。
これらの技術的な限界は、高コストと複雑な操作に加えて、MIRアプリケーション向けの小型、高性能フォトニックシステム実現の障害になっている。
2011年9月、EU(European Union)の第7次フレームワークプログラム(FP7)資金を得て、3年プロジェクト、CLARITYがスタートした。CLARITYは、「低雑音QCL光源、ワイドバンド周波数変換、近赤外検出器をベースにしたコンパクトな超高効率MIRフォトニックシステム」を意味するアクロニム。同プロジェクトは、中赤外分野でヨーロッパの大学、研究機関、企業を結集している。コンソーシアムメンバーは、ギリシャ (National and Kapodistrian University of Athens), フランス (III-V Lab and CEA-LETI)、ドイツ (Technical University of Darmstadt), UK (Optoelectronics Research Centre at the University ofSouthampton), and Norway (Norsk Elektro Optikk A/S).から集まっている。
CLARITYプロジェクト内で一連の技術が開発され、現在の中赤外フォトニックシステムは、パフォーマンス、サイズ、コスト面で根本的に変わるとされている。
同プロジェクトで設計、実現しようとしている究極目標は、サブショットノイズ性能のQCLシステム、ワイドバンド、高効率の中赤外と近赤外コンバータ、これはシリコン導波路とソフトガラスファイバにおける3次非線形効果を利用する。さらに、中赤外フォトニック集積回路(PIC)、これはIII-VやⅣ材料ベースで、同プロジェクトの新技術概念をワンチップで実現できるものとされている。
完了するとCLARITYプロジェクトは、最新のソリューションに比べて少なくともノイズレベルが一桁低く、感度が高い新しいタイプのMIRツールを提供できるようになる。フォトニック機能をオンチップ集積できるので、中赤外Lab-on-a-chipシステムへの先駆となる。

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