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ハイパワー短パルスレーザでイオン加速

November 30, 2011, Dresden--新しいタイプのハイパワーレーザは、電子やイオンなどの粒子を高強度短レーザパルスで効果的に加速できる。
レーザビームが薄泊に作用してフォイル(金属箔)の裏面から高エネルギーに加速する際の詳細な加速プロセスが発表されると、世界中の研究者の関心を集めた。金属泊の中の電子はレーザパルスによって加熱され、エネルギーを得る。今度はこれらの電子が、エネルギーの一部をイオンに与え、これによってレーザパルスエネルギーがイオンエネルギーに変換される。ドレスデン強磁場研究所Helmholtz-Zentrum Dresden-Rossendorf(HZDR)の物理学者たちは、これらの「熱い」電子の密度と温度を予測する新しい理論モデルを開発した。このモデルは、実験結果とシミュレーションを正確に記述する点で、既存モデルを凌駕する。
超短パルス光による粒子加速は新しい技術であり、従来の技術に対して大きな利点を持っている。加速に必要な距離は遙かに短く、そのようなシステムのコストは潜在的に遙かに安い。この新しいイオン加速技術の可能性は、ドレスデンの大学病院で使用するために現在建設中のレーザシステムで明らかにされる。同システムは、HZDR、大学病院、TUドレスデンも共同で癌の研究や治療に利用する。従来の腫瘍放射線治療用のイオン加速器に加えて、プロトタイプのハイパフォーマンスレーザが初めて利用できるようになる。
熱い電子は、レーザからのエネルギーをイオンに移すことによるレーザイオン加速において媒介の役割を果たす。HZDRのDRACOレーザの先行システムでは、電子の温度や密度の理論推定はほぼ正確だったが、それに比べるとHZDRのDRACOレーザのようなシステムは10~100倍強度が強い。新世代のレーザでは、実験結果は予測とは甚だしく違っていた。HZDRの物理学者Thomas Kluge氏は、レーザ電子相互作用の新しい理論モデルを開発した。将来のレーザを利用した癌治療施設では、熱い電子のエネルギーについての正確な情報が極めて重要になる。
DRACOやHZDRに現在建設中のペタワットレーザPENELOPEが生成する電子のように、極めて高強度の熱い電子の特性を正確に予測することは既存モデルでは不可能であった。ドレスデンの研究チームが開発した方程式は、レーザ加速電子の分布や、特殊相対性理論に従った力学を考慮に入れることによって熱い電子エネルギーを正確に計算することができる。
(詳細は、www.hzdr.de)

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