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オンチップ光アイソレーションを非相反光共振器にモノリシック集積

November 28, 2011, Cambridge--マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者は、磁気光学アイソレータをシリコンにモノリシック集積したと発表した。
光アイソレータや光サーキュレータは光通信システムにとって不可欠のデバイスであるが、そうしたデバイスを半導体プラットフォームに集積することは、半導体と磁気光学材料との不適合性のために、またアイソレータデザインサイズが大きくなるために困難だった。MITの研究者は、SOI(silicon-on-insulator)上の非相反光共振器を用いて単一方向の光伝送を初めて実証した。アイソレーションレシオは、外部均一磁場、1550nm通信波長付近で19.5dBだった。デバイス長は290μmで、従来のガーネット結晶基板に集積された光アイソレータと比べて遙かに小さい。モノリシック集積された非相反光アイソレータは、光アイソレータや光サーキュレータを含め、多様な超コンパクトシリコンフォトニックデバイスの基本的構成要素となる可能性があり、将来的にはローコスト、大規模集積も可能になる。
MITの材料科学・工学Toyota教授、Caroline Ross氏は、「新しいシステムではアイソレーション機能が、他の信号処理を行う同じチップの一機能となる」とコメントしている。
このデバイスを開発するために研究チームは、トランスペアレントな磁気材料を見つけ出さなければならなかった。結局はガーネットを使うことになったが、研究チームはチップ上の光伝送チャネルに接続するループの半分をガーネット薄膜で覆うように堆積する(deposit)ことができた。結果は、光はチップの片方向に自由に伝搬するが、反対方向に進む光はループの中に逸れるようになった。システム全体は、標準的なマイクロチップ製造機械を使う。「回路の設計は、集積回路(IC)のようなもので、マイクロプロセッサの設計が可能。つまり、集積光回路の設計ができる」とRoss教授は言う。
この技術によってデータ伝送システムが大幅に高速化される。その理由の1つは、光は電子よりも遙かに高速であるからだ。もう1つは、電子データストリームは配線の中を1つしか流れないが、光コンピューティングでは複数の光ビームが個別のデータストリームを運び、干渉することなく1本の光ファイバもしくは光回路を伝搬するからだ。
Ross教授は、他の材料を使ったシステムと比べると商用化は遙かに簡単だと考えている。「シリコンプラットフォームは、膨大なシリコンプロセス基盤があるので誰でも使える。つまり、新たな製造技術について思い煩うことなくチップの開発が手がけられる」とコメントしている。
(詳細は、www.nature.com)

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