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皮膚がUV光を「見る」と、色素の生成が始まる

November 15, 2011, Brown--新しい研究で生物学者たちは、メラニン皮膚細胞が、これまでは目にしか存在しないと考えられていた感光レセプタを使ってUV光を検出することを発見した。この目のような、光を感じる能力がトリガーとなって、数時間内にメラニンの生成が行われる。これは従来考えられていたよりも迅速であり、DNAへのダメージを保護するために急いで行われる。
ほとんどの人にとって日焼けは主張あるいは、異性に対する性的な誘いかけにすぎないようだが、科学者にとっては、紫外(UV)光に対する皮膚の反応はよく分かっていない。新しい研究によって、これまでは目にしか見つかっていなかった感光性の感覚器(レセプタ)を使って皮膚が紫外線(UV)A(315~400nm)を検出し、これが数時間内にメラニンを生成するトリガーになることが示された。これまで、研究者は、UVB(315-280nm)照射がすでにDNAに損傷を与え始めた数日後にメラニンの生成が起こるとしか考えていなかった。
ブラウン大学分子薬理学、生理学、生命工学部、生物学助教授、Elena Oancea氏は、「太陽に当たると直ぐに、皮膚はUV照射を受けていることを知る。これは、非常に素早いプロセスであり、これまでに知られていた中で最も速い」と語っている。
科学者は、メラニンはUVBを吸収することで皮膚細胞のDNAをUVBによる損傷から守ると考えている。ただし、これは完璧ではないので日焼け止めを使わなければならない。しかし、新しい研究によると、皮膚の防御は遙かに迅速であり、日焼けするよりもずっと前に防御している。
メラニン形成細胞(melanocyte)という皮膚細胞による実験で、研究チームはその細胞にロドプシン、目が光検出に用いる感光感覚器があることを発見した。さらに、ロドプシンが、メラニン生成を引き起こすカルシウムイオン信号をどのようなステップで出しているかを追跡した。研究チームによると、レチナールを加えると直ちに大量のカルシウム反応が見られた。
さらに研究を進めると、細胞にロドプシンRNAとタンパク質が含まれていることを発見。UV光下で、細胞のロドプシンレベルを下げると、カルシウム伝達は減少。その後、細胞のレチナールを不足状態にすると、メラニン生成は落ち込んだ。また、長波長UVA光の方が短波長UVBよりもメラニン形成細胞でロドプシンを刺激するものであると断定している。
実験中に分かったプロセス: UVA光がレチナールを持つロドプシン感覚器を刺激すると、数秒以内にカルシウム信号が誘発される。1時間後、検出可能な量のメラニンが堆積するが、24時間で生成される量に比べると相対的に少ない。
疑問点として残っている中には次の点がある。ロドプシンは単独作用か、あるいは他の未発見の感覚器と強調して作用しているか。メラニン形成細胞は直ちに他の皮膚細胞保護用にメラニンを出し始めるのか、あるいは初めはそれ自身の保護に使うか。
(詳細は、www.brown.edu)

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