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富士通研、CPUの廃熱利用冷却技術を開発

November 9, 2011, 東京--富士通研究所は、CPUから発生する廃熱を利用して15~18℃の冷水を連続的に製造する技術を開発した。

開発技術
・55℃の低温で効率的に水を乾燥できる新素材の開発: 廃熱を利用した冷水発生装置として、吸着材の水分吸着力によって水を蒸発させ、その際に周囲の熱を奪う性質を利用した吸着式ヒートポンプを利用。連続的に冷水を製造するためには、室温における吸着材への水の吸着と、廃熱を利用した乾燥のサイクルを繰り返す必要がある。今回、新素材の吸着材を開発し、室温における水の吸着性能、および、55℃での乾燥性能を向上させた。これにより、55℃での低温動作を可能にした。
・乾燥に必要な廃水の温度を維持する技術: CPUの温度は負荷により変動する。連続的に冷水を製造するためには、廃水の温度を吸着材が乾燥できる40℃から55℃の範囲に維持する必要がある。CPUの負荷に合わせて、廃水の流量を制御することで、冷水発生装置に供給される廃水の温度を40℃から55℃の範囲に保つ技術を開発した。

これら2つの技術により、冷水発生装置へ入力された廃熱量を100%としたとき、最大で60%の熱量に相当する量の冷水出力が得られることを確認した。
CPUの廃熱を利用して製造した冷水を空調装置で使用することにより、データセンタでの空調消費電力を最大で約20%削減することができる。これにより、サーバラック1台あたり、年間最大で1.2万KWh、杉の木360本分のCO2の削減に貢献できる。
富士通研では、2014年ごろのデータセンタでの適用を目指して、大規模化、スペース効率の向上、信頼性の向上などの技術開発 を進めていく、としている。また、工場、オフィスビル、太陽熱発電システムなど、データセンタ以外の用途において利用されていない低温廃熱への活用も目指している。

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