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富士通、次世代光アクセスシステムに向けた光増幅技術を開発

October 14, 2011, 東京--富士通と富士通研究所は、局とユーザーとの接続に光ファイバを用いる光アクセスシステムについて、加入者数を4倍、伝送距離を2倍にできる光増幅技術を開発した。
ネットワーク機器で増大し続ける消費電力の削減に向けて、局と多数のユーザーを、電気変換を介さず光信号のまま接続する光アグリゲーションネットワークが提案されている。現在普及している伝送速度1Gbpsより10倍高速な双方向10Gpbs級PONの商用導入が進められているが、これを光アグリゲーションネットワークへ展開するには、一般的なPON の仕様である端末装置(大型ビルや集合住宅、基地局など)の接続数32ヶ所、伝送距離20kmが制約となる。
回新たに、半導体光増幅素子(SOA)を用いた光バースト信号の光増幅技術、アレイ集積素子のモジュール実装技術、冷却機構の不要化技術を開発した。これら3技術を利用することにより、光アクセスシステムの端末側の接続数を4倍に、局内の通信装置から各端末装置までの伝送距離を2倍にすることが可能になる。
これにより、次世代光アクセスシステムを低消費電力かつ低コストの光アグリゲーションネットワークとして使用し、クラウドのインフラ強化を進めることが可能となる。

開発した3つの要素技術
・光バースト信号の光増幅技術
端末装置の接続数や伝送距離の拡張のために、局と端末装置の間にあるリモートノードに光増幅器を設置し、システム損失を補償することが検討されている。今回、光増幅器に入力される光信号を検出して光増幅器を高速にオフからオンにして増幅する技術を開発。従来であれば光増幅器を複数搭載した場合、その分だけ雑音が増えて局内の通信装置で正しく受信できなくなるところを、たとえば4個の光増幅器をリモートノード内に搭載(1個の光増幅器で32分岐)しても、光バースト信号が入力される光増幅器のみをオンにするため、32分岐と同じレベルの低雑音特性で128分岐が可能。
・アレイ化された複数のSOAをモジュール化する技術
世界で初めて、4個の半導体光増幅素子を1つのモジュールにまとめることを可能にした。4個の半導体光増幅素子を一括して4本の光ファイバのアレイと結合することで、小型実装することができる。これにより、1個あたりの実装面積の削減と低コスト化が可能となる。
・冷却機構の不要化による小型・省電力化技術
リモートノードで用いる半導体光増幅素子の光信号を増幅する活性層に、高温時にも高い増幅率が得られるアルミニウムを混合した材料を採用することで、世界で初めて温度制御を不要にした。これにより、1個の半導体光増幅素子が内蔵されたモジュールで比較して、体積で従来比5分の1の小型化、また、約6分の1の省電力化を実現。85℃の環境温度まで安定した光増幅動作が可能となり、電信柱や側溝など屋外に設置され、厳しい耐環境特性が要求されるリモートノードへの搭載にも適している。
これらの開発技術を用いることで、次世代光アクセスシステムである光アグリゲーションネットワークにおいて、端末装置の接続数を現在の4倍の128分岐に、また、局から端末装置までの伝送距離を2倍の40km以上にすることが可能となる。

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