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ハーバードの研究者が反射/屈折の法則に反する光現象を実現

September 5, 2011, Cambridge--ハーバード大学工学応用科学(SEAS)の研究者たちが、従来の反射の法則、屈折の法則に逆らうように光線を振る舞わせる、位相の不連続性という新しい技術を開発した。この発見によって、光線の反射、屈折の光路を予測する数学的法則の修正が必要になった。
「デザイナー面を利用することで、平面上にお化け屋敷(fun-hopuse)の鏡効果を実現できた」とSEASの研究者たちはコメントしている。
古代より、光は媒体によって進む速度が違うことが知られている。反射や屈折は光がある角度で物質に当たるときに起こるが、これはビームの一端が他よりも先に進むからだ。その結果、波面が方向を変える。
世界中の物理学教室で教えられた従来の法則は、入射角と2つの媒体の特性に基づいて反射角、屈折角を予測していた。
金属ナノ構造パタンの表面に作用する光の振る舞いを研究しているとき、研究者たちはラボで観察された奇妙な振る舞いを通常の数式が十分に記述できないことを発見した。
ハーバードでの実証実験によって引き出された、一般化された新しい法則は、Capassoグループの発見を考慮に入れたものとなっている。その発見とは、2つの媒体の境界が特殊パタン化されていると、それ自体が第3の媒体のように振る舞うという発見。
「普通、湖面のような表面は、空気と水という2つの媒体の幾何学的な境界にすぎない。しかし、この特別な場合、境界はそれ自体が光を曲げるアクティブなインタフェースとなる」とCapassoの研究助手、Nanfang Yu氏は説明する。
Capasso研究室で用いられているシリコン表面に刻み込んだ微小な金のアンテナアレイがキーコンポーネントになる。このアレイは、それに当たる光の波長よりも遙かに細いスケールの構造を持っている。つまり、従来の光システムと異なり、空気とシリコンの間に設計された境界が、それを横断する光波の山(crests)に急激な位相シフト(いわゆる位相の不連続)を起こす。
アレイの個々のアンテナは微小共振器であり、光を捉え、それを再び解放するまでの一定時間、そのエネルギーを保持する。シリコン面の異なるタイプのナノスケール共振器の勾配が効果的に光を曲げ、その後に光は次の媒体を通って伝搬し始める。
結果的に、この現象は従来の法則を破り、表面のパタンに応じて自在に反射、屈折する光ビームとなる。
同研究室では、「光の周波数(色)、振幅(輝度)、偏光も制御できる、光出力は本質的に設計できる」と説明している。研究者たちはすでに、フラット面から渦巻きビーム(ヘリカル、らせん形状のビーム)の実現に成功している。さらに、収差なく像にフォーカスできるフラットレンズも計画している。
論文はScienceに発表されている(著者: Federico Capasso, Robert L. Wallace Professor of Applied Physics and Vinton Hayes Senior Research Fellow in Electrical Engineering at SEAS)

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