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NIST、フォトンループによるコンピュータチップ遅延デバイス

August 29, 2011, College Park--NISTの研究者によると、数nmのコンピュータチップ内で情報を伝達するよりも数千マイルの光ケーブルで情報を送る方が簡単だ。NISTとメリーランド大学の共同量子研究所(Joint Quantum Institute)で、ハーバード大学を加え研究開発により、間もなく光粒子を正確に制御できるようになると研究者たちは考えている。
デスクトップでの情報処理の効率が向上するだけでなく、電子が磁界を移動するときに相互干渉する量子ホール効果(quantum Hall effect)として知られている奇妙な量子の世界を知る方法も得られると言う。関連する物理学では、すでに3件のノーベル賞が出ているほどであるが、その理論予測の多くはまだ観察されていない。
数10年前に発明された光ファイバによって何十通話の電話回線が1本の光ファイバで長距離伝送できるようになった。
街や海を越えてフォトンを長距離伝送することは簡単だが、皮肉なことに、短距離、例えば数百nmの世界でその位置を正確に制御することは困難であり、コンピュータチップ内で情報伝達手段としてフォトンを利用することはいまだに難しい。
この点についてNISTとJQIの理論物理学者、Jacob Taylor氏は「材料チップ内のわずかな欠陥のために、マイクロサーキットでフォトンを利用しようとすると問題に直面する」とコメントしている。「欠陥が突然大量に出現し、信号をめちゃめちゃにしてしまうほどフォトンを屈折させる」と言うのだ。
チップがフォトンの情報を必要とするまで一時的にフォトンを蓄積しておくためのフォトン遅延デバイスでこうしけ欠陥が生ずると問題だ。遅延デバイスは通常、一列の微小な共振器でできているので、その中の欠陥はフォトンストリーム内の情報を破壊してしまう。しかし、研究チームは複数列の共振器を使用して遅延デバイス内に代替パスを造り、フォトンが欠陥を容易に回避できる方法を見いだした、としている。
遅延デバイスはコンピュータ回路の必要不可欠のパーツであるので、この代替パス技術はフォトンベースのチップ開発の障害克服に寄与すると考えられている。
このアプリケーションも興味深いが、同論文の筆頭著者、Mohammad Hafezi氏は、この同じ技術による量子ホール効果の研究展望も科学的に大きな魅力があると指摘している。
「これらのデバイス内のフォトンは、電子が量子ホール効果を起こすときと同じタイプの干渉を示している。この物理現象を直接観察する時の問題をある程度回避するのにこれらのデバイスが役立つのではないか」。
(詳細は、www.nist.gov)

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