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物質材料研、独自技術で高均一な赤色量子ドットレーザを実現

August 23, 2011, つくば--物質・材料研究機構(NIMS)先端フォトニクス材料ユニット、間野高明主任研究員と定昌史研究員は、将来の重要なデバイスとして注目される量子ドットレーザの中で、これまで特に製作が困難だった赤色レーザを、NIMSが開発した独自の手法によって実現した。
研究では、以前NIMSが独自開発した量子ドットの自己形成手法(液滴エピタキシー法)に新たな改良を加え、赤色の波長帯で発光するガリウム砒素(GaAs)量子ドットを用いた量子ドットレーザから、レーザ発振を実現することに成功した。
今回の開発技術は次の通り。

1.不均一性の原因だった、ガリウム液滴が高速で結晶化する過程を見直し、遅い速度で結晶化する手法を開発。これにより、均一な量子ドットの自己形成が可能となった。
2.量子ドットの厚みのバラツキを抑制するため、量子ドット下部に二次元層を導入し、さらに、結晶化した量子ドットに対して、薄膜埋め込みと熱処理を施すことによって、量子ドットの厚みも均一化できた。
3.一層あたり4×1010 個/cm2 の高均一量子ドットを5層積層することで、高密度化を実現した。
以上の技術を組み合わせることにより、低温における発光の広がり(量子ドットのサイズの均一性を直接反映する)で、従来の154 meVから20 meV へ大幅な狭線幅化を実現した。また、これらの高均一量子ドットを厚み方向に5 層積層することにも成功。これにより、レーザ発振に寄与する量子ドット数を大幅に増加させ、電流注入によるレーザ発振を実現した。発振波長は約760nm 。
この成果により、高性能な量子ドットレーザが赤色領域にも適用可能となり、情報・医療デバイスなどの高性能化に大きく貢献することが期待される。
(詳細は、英国物理系学術雑誌 Nanotechnology オンライン版、冊子版では8月19日号:Number 33)

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