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光で制御する心臓ペースメーカー

August 23, 2011, Stony Brook--ストウンニブルック大学の研究者が光遺伝学を利用して、心筋細胞の興奮・収縮を制御する方法を実証した。光遺伝学(optogenetics)は、光に反応するように遺伝組み換えした細胞を用いる新しい分野。
同大学生体工学Emilia Entcheva助教授は、同氏研究チームの開発した技術は、新しい世代の光駆動心臓ペースメーカーや他の医療機器の基盤をなすものであると主張している。Dr. Entchevaとその研究チームは、光遺伝学シミュレーションと心筋細胞の電気的活動を高分解能、高速イメージングとを統合した初めての研究グループ。
Dr. Entchevaは、電気的心臓ペースメーカーと除細動器は確立されていて成功を収めている技術ではあるが、問題がないわけではないと指摘する。金属リードの破損、限りあるバッテリー寿命、強い磁界の干渉などだ。光刺激は、心臓機能の新しい制御方法を提供するものとなるだろう、と同氏は考えている。
数年前の研究で、チャネルロードプシン(ChR2)という感光性のタンパク質を造り出すように遺伝子操作された脳細胞なら、光を用いて脳細胞を刺激できることを示した。ストウンニブルック大学での研究では、研究チームは心臓の細胞を直接変えるのではなく、光に反応するように最適化されたドナーセルを心臓細胞に結合し、感光性の心臓組織を創った。光トリガー心筋収縮は、電気トリガーと区別がつかないことを確認した。重要な点は、この新しい技術が必要とするエネルギーが極めて少ないこと、ウイルスの使用も不要、他の組織の遺伝子を心臓細胞に持ち込む必要がないことだ。人の骨髄や皮膚の細胞を培養して光に反応するようにし、免疫体形が感光性の細胞を拒絶する可能性を減らすようにしたい、と研究チームは話している。
(詳細は、オンライン版Circulation: Arrhythmia & Electrophysiology: “Stimulating Cardiac Muscle by Light: Cardiac Optogenetics by Cell Delivery.”)

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