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HHI フラウンホッファ通信研究所がLED可視光データ通信を開発

August 4, 2011, Berlin--HHI(Heinrich Hertz Institute)、フラウンホッファ通信研究所(Fraunhofer Institute for Telecommunications)は、EUのOMEGAプロジェクトで映像データの新しい伝送技術を開発し、実用化は近いと発表している。
5月末、研究者たちはフランスのレンヌ(Rennes)で研究成果を発表した。10m2を照らす天井のLEDを利用して、100Mbpsで損失なくデータ伝送を行った。レシーバは、光の届く範囲のどこに置いてもよい。HHIのDr. Anagnostis Paraskevopoulosは、「HD品質のビデオ4本を同時に4台の個別のラップトップに伝送できた」と話している。
可視光通信(VLC)の基礎技術は、業界のパートナー、シーメンス(Siemens)、フランステレコムオレンジ研究所(France Telecom Orange Labs)と共同開発した。HHIでは、Klaus-Dieter Langerプロジェクトマネージャのチームが、さらに新しい技術の開発を進めている。VLCの光源には、今回は白色LEDを用いており、部屋を照明するとともに情報も伝送する。特殊コンポーネント、変調器を使い、LEDを高速でON/OFFし、情報を1s/0sとして伝送する。光の変調は人間の目では感知できない。ラップトップのシンプルなPDがレシーバとして機能する。Klaus-Dieter Langer氏は、「ダイオードが光を受信し、エレクトロニクスが情報をデコードし、それを電気パルスに変換すると、コンピュータ言語になる」と説明している。「利点の1つは、LEDを伝送メディアとして機能させるために必要なコンポーネントが少なくてすむ点だ。欠点の1つは、光とPDの間に何かが入ると伝送障害になる点。端末は、パーム機器、携帯電話、ラップトップなどとなる」(同氏)。
研究チームが強調している点は、VLCを通常のWLAN、パワーLAN、UMTSの置き換えにするつもりがないこと。無線通信ネットワークが望ましくない、あるいは利用できないところで、屋内に新たにケーブルや機器を設置することなく、データ伝送の追加オプションとして適している。他の方式と組み合わせることも可能で、光WLANを一方向、パワーLANをリターンチャネルに使うことも可能。
例えば飛行機では、乗客一人一人が個別のエンタテーメントビデオをディスプレイで見ることができる。飛行機メーカーは、何マイルものケーブルを設置する必要がなくなる。
現在、ビットレートを上げる開発が進められており、Klaus-Dieter Langer氏によると、実験室では赤-青–緑–白色LEDを用いて800Mbps伝送を成功させている。
(詳細は、www.fraunhofer.de)

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